人気声優・上坂すみれさんが案内する「コンカフェ」の世界

「コンカフェ」とは、コンセプトカフェのこと。特定のテーマ(コンセプト)や世界観を取り入れて、全面に押し出したカフェのことです。たとえば、動物とのふれあいを中心にしたカフェ、マンガ・アニメ・ゲーム作品などの世界観を反映したカフェ、メイドをコンセプトとしたカフェなど。そこには「非日常」が待っています。コンセプトカフェ『Twilight Rouge―トワイライトルージュ―』をプロデュースした人気声優の上坂すみれさんが「コンカフェの世界」へと誘います。

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コンカフェとは、コンセプトに基づいた別世界の体験

「コンカフェ」とはコンセプトカフェのことです。特定のテーマや世界観を取り入れ、それをお店全体で表現していて、ほかのカフェにはない体験を生み出す場所でもあります。たとえば、動物とのふれあいを中心にしたカフェ、特定のマンガ・アニメ・ゲーム作品などの世界観を反映したカフェ、そしてメイドカフェなども、そのひとつ。
 
なかでも、一般的にイメージされやすいのは、いわゆるコスプレ系のコンカフェです。もっとも広く知られているのはメイドカフェで、従業員を「メイド」、来訪するお客様を「ご主人様」と見立て、衣装や内装、接客方法をそのコンセプトに沿って揃えたスタイルは、2000年前後に東京・秋葉原から登場し、その後、日本全国へと広く普及していきました。現在は「メイド」以外にも「執事」など、多彩なコンセプトの店舗が存在しています。
 
似た業種で「ガールズバー」と呼ばれるものがありますが、違いは接客のスタイル。ガールズバーは女性従業員がバーカウンター越しにバーテンダーとして、飲食の提供や会話などの接客をします。一方、コンカフェは従業員が各テーブルをまわり、接客をするスタイルです。コンカフェは基本的には一般的な飲食店の延長にあるもの。あくまで場の雰囲気を楽しみつつ、その延長として従業員(キャスト)との気軽なやりとりを楽しむ場所なのです。

コンセプトカフェ『Twilight Rouge―トワイライトルージュ―』では、上坂さん(中央)が「生徒会長」、キャストは「候補生」です。

そんなコンカフェの魅力を、自らの感性でひとつの形にしたのが、声優・上坂すみれさんがプロデュースする『Twilight Rouge―トワイライトルージュ―』です。

ヴァンパイア+学園がコンセプトの『Twilight Rouge―トワイライトルージュ―』

上坂すみれさんは、『うる星やつら』ラム役、『キン肉マン 完璧超人始祖編』ミートくん役など、数多くの話題作に出演する大人気声優であり、歌手、ラジオパーソナリティなど幅広い活動も展開しています。 『Twilight Rouge―トワイライトルージュ―』は、そんな上坂さんが手がけた、美しきヴァンパイアたちの通う学園をテーマにしたコンカフェ。2025年2月のオープン以来、本格的なフードメニューやバーカウンター、充実したアミューズメント要素に惹かれ、多くの「先輩」――つまりお客様が来店し続けています。

上坂さんに『Twilight Rouge―トワイライトルージュ―』のコンセプトをお聞きしました。
 
「Twilight Rougeは『ヴァンパイア学園コンセプトカフェ』。魔界にTwilight Rougeという美しきヴァンパイアを育成するための学園があり、そこの学園の談話室が、このお店の中の空間と繋がっている……という設定です。在籍しているキャスト(従業員)は学園でお勉強するヴァンパイア候補生で、いらっしゃるお客様はかつて学園に在籍していた“先輩”という立場で楽しんでいただく。そんなコンセプトのカフェです」‎

ヴァンパイアのゴシックなムードと、制服の要素。そのふたつが自然に結びついているのは、コンカフェという場の自由さに、上坂さん自身が強く惹かれていたから。

「コンカフェって、すごく自由なんです。私はヴァンパイアものが大好きなので、お店全体のコンセプトとして、ヴァンパイアの持っているゴシックな雰囲気とか、シックで洋風なニュアンスを取り入れました。その上で、制服は学生っぽくしたかったので、学園という要素も取り入れてみたんです」

そもそも、なぜ大人気声優である上坂さんがコンカフェをオープンしようと思ったのでしょうか。そのきっかけは、ずっと以前から親しんできたコンカフェ体験の延長線上にありました。


「はじまりは実は、フワッとしていたんです(笑)。メイドカフェが好きで、以前からたびたび遊びに行っていたんですね。特定のお店に通い詰めるような遊び方ではなく、秋葉原を歩いているといろいろなお店が目に止まりますから、そこにふらっと入ってみるような形で楽しんでいました」


そうした中で印象に残ったお店のひとつが、人気イラストレーターの岸田メル先生がプロデュースしている『IDOLY』。そこの自由な空気に触れるうちに、「自分でもやってみたい」という思いが少しずつ形になっていったといいます。


「『IDOLY』は岸田先生ご自身が衣装をお考えになっているだけではなく、たまに先生が自ら接客したり、自由なんですね。そういったお店を見ているうちに、『コンカフェ楽しそう、私もやりたいな』という気持ちがだんだん強くなっていったんです。それで『コンカフェをいつかできたらいいな』みたいなことをマネージャーさんと話していたら、マネージャーさんが実はコンカフェ通で、コンカフェ関係のお友達もいっぱいることがわかって、それなら本当にやってみようかな……と」‎

内装から衣装まで、細かい部分まで徹底したこだわり

おしゃれなロゴ入りのコースター。

メニューのデザインにもこだわりあり!

こうして始まった『Twilight Rouge―トワイライトルージュ―』のプロデュースにはこだわりが細部まで行き渡っています。アニメやマンガ、ゲーム、映画など、さまざまなサブカルチャーに深い愛着を持つ上坂さんらしく、その視点は、店の世界観だけでなく、物件選びや空間設計、メニュー、衣装にまで及んでいます。


「お店の中を整える前に、まず物件選びからこだわりました。池袋や新宿歌舞伎町などにもコンカフェは多いですが、やはり『コンカフェといえば秋葉原』というイメージが私の中にはあったので、なるべく秋葉原駅の近くで選びたい。そんな立地への思いと、物件の広さのバランスを考慮しながら見つけたのが、この物件です。広さを意識したのは、自分自身が行列することが苦手なので、なるべく並ばずに、大勢のお客様にスムーズに楽しんでいただけるお店にしたかったからですね」
 
店内のしつらえにも、徹底したこだわり。内装も業者さんと相談しながらひとつひとつ考えたのだそう。
 
「テーブルの木目からソファーの形までこだわりました。ソファーは某有名珈琲店のソファーを参考に、少しレトロな喫茶店っぽいイメージで揃えています。照明も、テーブル席のあたりは、(ゲームの)『悪魔城ドラキュラ』に出てきそうなランプというか、ロウソクのような照明を探しました。そこにつける電球も、あまり明るいとキャストの目が疲れてしまうので、目に優しい電球にしています」

『悪魔城ドラキュラ』に出てきそうな照明が、ヴァインパイアの雰囲気を醸し出しています。

某有名珈琲店のソファーを参考にしたソファーは、座り心地も抜群。

なかでも象徴的なのが、ラウンド型のカウンターです。


「どの席でもキャストの姿が見えて楽しめたら……と考えました。背中姿も楽しめるというか。キャストがいろいろと動き回っている様子がどの席からも均等な距離で見れるんです」

インパクトのあるラウンド型のカウンター。コンカフェとしては珍しい。

そして本格的な衣装も、見た目の美しさだけでなく、着心地や着脱のしやすさまで考えた設計になっているのが特徴です。
 
「ファッションブランドの『Victorian maiden』さんがパターンを作ってくださったものです。スタイリストの佐野夏水さんにもご協力いただいて、いろいろな制服を参考にさせていただきつつ、セーラー服の要素とヴァンパイアらしいモチーフを組み合わせて、さらに着心地や着脱のしやすさも考えて作りました。疲れない機能性と上品さを重視したものにできたと感じています」

セーラー服の要素とヴァンパイアらしいモチーフを組み合わせた衣装。

コンカフェの楽しみ方を、リアルに体験!

先輩と「紅く」「きらめく」と交互に言葉を交わす乾杯。

では、コンカフェ初心者は、どのように楽しめばいいでしょうか? ‎
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「まずは気楽に入店してみてください。入店後は、着席したら、しっかりとどんなコンセプトなのか、店内を観察するのが楽しむコツだと思います。そして、話が合いそうなキャストさんがいたら、勇気を出して話しかけてみること。メニューの中には、時間をかけてキャストと話すことができるものもあるので、それを活用してみてください。“お絵かきチェキ”であるとか、“お絵かきオムライス”みたいなものを頼むと、コミュニケーションがとれて本当にいい思い出になるので、すごくおすすめですね」 ‎
 
さっそく『Twilight Rouge―トワイライトルージュ―』でコンカフェを体験してみました。

お客さんはこの学園でかつて学んでいた卒業生。“先輩”として学園を訪れると、ヴァンパイア候補生の後輩たちが「おかえりなさい、先輩」と迎えてくれます。

着席すると候補生がメニューを広げながら、お店のコンセプトや楽しみ方をわかりやすく説明してくれます。最初のドリンクは、候補生と「紅く」「煌めく」「黄昏の」「乙女」「トワイライト」「ルージュ!」と、交互にコール&レスポンスをして乾杯。

お絵描き満月(フルムーン)オムライスは、指名した候補生がケチャップでイラストやメッセージを描いてくれます。大きなお皿にのった卵の下には、チキンライスがたっぷり!

チェキは指名した候補生とのツーショット、もしくは候補生のみの撮影も可能。ポーズに困ったら、候補生に聞いてみるのもおすすめ。メッセージも書いてくれます。

お店を出る時は「先輩、いってらっしゃい」と笑顔で見送ってくれます。

最大の魅力は「思い出を持って帰れる」こと!

コンカフェの楽しさは、その場で過ごす時間だけにとどまりません。会話をしたこと、写真を撮ったこと、空間の雰囲気を味わったことが、ひとつの記憶として残っていく。その点にこそ、大きな魅力があると上坂さんが教えてくれました。
 
「コンカフェのいいところは、『思い出を持って帰れるところ』だと思うんです。だからこそ、旅行で来られている方にも、オススメしたいです。『Twilight Rouge―トワイライトルージュ―』はもちろん、秋葉原を歩いていて、興味が持てそうなお店を見つけたら、とにかく入ってみてほしいと思います。海外から来たかたにもそうやって魅力が広がっていったら、海外進出も考えたいところです。日本の人がコンカフェを楽しむように、海外の人にもコンカフェの魅力を知ってほしいなと思っています」 ‎

“扉の向こうにある非日常“を楽しみながら、それでいてどこか気軽に過ごせる。その両方が同居している「コンカフェ」という文化をぜひ体験してみて。

PROFILE

上坂すみれ

声優・アーティスト。2011年に声優デビュー、2013年にアーティストデビュー。『オーバーロード』シャルティア・ブラッドフォールン役、『うる星やつら』ラム役、『機動警察パトレイバーEZY』久我十和役などで知られ、さまざまなジャンルの作品に出演。昭和歌謡、メタルロック、ロリータ、プロレスなど多方面に興味と知識を持つ。

Instagram:@uesaka_sumire
X:@uesaka_official
YouTube:@uesakasumire
Official Web Site:https://king-cr.jp/artist/uesakasumire/

Photo: Shinpo Kimura