2026.09.08
時代を映す音楽とカルチャーの雑誌専門古書店
古書の街・神保町にある『ブンケンロックサイド』は、ロックをはじめ、映画、ファッション、アート、アイドル、アニメまで、約2万冊の雑誌を扱う古書店です。なかでも音楽雑誌やカルチャー誌は、1970年代の創刊号から近年までバックナンバーが充実。雑誌を通して、その時代の音楽や流行、人々の価値観に触れることができます。
世界有数の古書店街として知られる神保町。そのメインストリート・靖国通りでひときわ異彩を放つのが、雑誌専門の古書店『ブンケンロックサイド』です。
1989年に現店主・山田玲子さんの両親が俳句や文学書を扱う古書店として創業しました。音楽好きの山田さんが店を引き継いでからは、当時まだ珍しかった音楽雑誌を中心に扱うようになり、『ブンケンロックサイド』と改名。現在のスタイルへと生まれ変わりました。
店内には、ロックをはじめとする音楽雑誌を中心に、映画やファッション、アート、アイドル、アニメなど幅広いカルチャー誌や関連書籍まで、約2万冊を取り揃えています。
音楽雑誌やカルチャー誌のバックナンバーは、創刊号から近年まで国内有数の品揃えを誇ります。その充実したアーカイブを求めて店を訪れるのは、10代から還暦を過ぎた幅広い世代。当時夢中になった雑誌をもう一度手に取りたい人はもちろん、現在好きなアーティストのルーツを知りたい若い世代や、研究や資料収集を目的に訪れる学生やクリエイターなど、多様な人々に親しまれています。
「インターネットがなかった時代は、音楽、ファッション、映画、アートなど、さまざまな文化を知るきっかけが雑誌でした。最近はSNSで興味のあることを調べれば、すぐに情報が見つかります。でも紙の雑誌には、目的の記事以外にもコラムなどさまざまな情報が載っているからこそ、自分では探していなかった情報や、新たな興味との出会いがある。それが雑誌のおもしろさだと思います」(山田さん)。
店主の山田さんは、長年ハードロックやヘヴィメタルを愛してきた音楽好き。音楽雑誌のことなら山田さんに聞けば間違いありません。
山田さんが半世紀近く育んできた音楽への情熱は、そのまま店内の雑誌コレクションにも息づいています。書棚には『MUSIC LIFE』や『BURRN!』をはじめとする海外のロックシーンを伝えてきた日本の音楽雑誌が並び、その充実した品揃えは神保町でも屈指。店内には、バンドの非売品ステッカーやライブ会場で配布されていたコンサートフライヤーなどを扱うファイリングコーナーもあり、当時の熱気を今に伝える貴重な資料も収められています。
「12歳のとき、家の向かいのレコードショップから聞こえてくる音楽に惹かれ、毎日のように通っていました。店主にいろいろ教えてもらって、そこからどっぷり。当時はCDやレコードのアルバムを一枚通して聴いていたので、一曲一曲への思い入れも今以上に強かったと思います。音楽雑誌を見ながら、みんな見よう見まねで楽器を練習したものです」(山田さん)。
当時夢中になっていた一冊をもう一度探したい人や、バックナンバーを揃えたいコレクターにも、『ブンケンロックサイド』はぴったりの一軒です。
『ブンケンロックサイド』には、映画やファッション、アートなどのカルチャー誌も数多く並びます。一部の人気雑誌は創刊号から近年までのバックナンバーが揃っているのも特徴で、思いがけない一冊との出会いを楽しめます。
インターネットがまだ普及していなかった時代、雑誌は編集部が現地で見聞きした雰囲気や熱気を届ける貴重なメディアでした。1976年創刊の『POPEYE』をはじめ、アメリカを中心とした海外のライフスタイルを特集した号は、当時の若者たちに新しい価値観を届け、憧れの世界への入り口となりました。『mc Sister』や『KERA』などのファッション雑誌も、海外のトレンドから街のリアルな着こなしまで、その時代ならではのファッションを伝えてきました。
雑誌は、流行を伝えるだけでなく、その時代の空気感を記録し、新しい文化や価値観との出会いを生み出し、憧れを育んできたメディアです。『ブンケンロックサイド』は、そんな雑誌が記録してきた時代の空気感や、当時の人々を夢中にさせた文化や流行に触れられる場所なのです。
この記事の内容は2026年09月08日(公開時)の情報です


