そばも中華もカツ丼も揃う、昔ながらの “町そば” の老舗
『廣栄屋』は1960年創業と、下北沢で最も古いそば屋で、昔ながらの“町そば”の空気を今も色濃く残します。“町そば”とは、家族経営で地域に根ざし、そばやうどんだけでなく中華そばや丼物、定食まで揃えるそば屋のことで、『廣栄屋』も手頃な価格と幅広いメニューで、町の大衆食堂として長く親しまれてきました。自家製麺のそばやうどんに加え、カツ丼や中華そばなど、多彩なメニューを揃えるこのお店をおすすめしてくれたのは、下北沢の古着店『Pheasant』のスタッフたち。休憩や仕事前によく通う、彼らにとって馴染みのある一軒にともに訪れました。
下北沢で最も古い老舗そば屋である『廣栄屋』では、1960年創業以来、毎日仕込む自家製麺を提供しています。細打ちのそばは、国産のそば粉にこだわった二八そば(そば粉八割、小麦粉二割で打ったそば)で、しなやかなコシと軽やかな喉ごしが特徴です。営業後も毎日欠かさず続く仕込みが、創業から変わらない廣栄屋の味を守っています。つゆは、鰹出汁に調味料をその都度加えて仕上げる独自の製法。甘みがありながらも重たさがなく、するりと食べ進められる味わいです。
老舗そば屋らしいメニューが並ぶなか、ひときわ目を引く名物が「ギガたまOjiyaカレーうどん」。下北沢で毎年開催される人気イベント「下北沢カレーフェスティバル」をきっかけに生まれた一品です。そばつゆをベースにしたカレーに自家製麺のうどんを合わせ、20個ものうずらの卵をのせたインパクト満点の一杯。さらに、うどんの下にはとろろとご飯が隠れており、食べ進めるほどに“おじや”のような味わいも楽しめます。うずらの卵は、国内有数の産地として知られる豊橋産のものを使用。見た目のインパクトだけでなく、素材選びにも『廣栄屋』のこだわりが光ります。
『廣栄屋』の名物「ギガたまOjiyaカレーうどん」。商店街の研修旅行で訪れた愛知県で出会った、豊橋カレーうどんをヒントに生まれたメニューです。ギガたまOjiyaカレーうどん 1,600円
『廣栄屋』の魅力は、昔ながらの「町そば」の空気が今も息づいていること。“町そば”とは、家族経営で地域に根ざし、そばやうどんだけでなく、中華そばや丼物、定食まで揃える、気取らないそば屋のことです。手頃な価格と幅広いメニューを楽しめることから、町の大衆食堂として長く親しまれてきました。ここ『廣栄屋』の店内には、長年通う常連客や近隣で働く人々、古着を楽しむ若い世代の姿があり、下北沢らしいローカルな風景が広がっています。
『廣栄屋』の本家は、東京・大田区の蓮沼にある創業100年を超える老舗。暖簾分けによって生まれた下北沢のこの店もまた、家族の手で受け継がれてきました。「美味しいものを、できるだけ手頃な価格で、誰もが気軽に食べられるそばを」という、先代から受け継いだ想いと、仕込みから調理、配膳まで、息のあった家族の連携が、この店の味と空気を支えています。再開発などで街が変わり続ける下北沢の中で、創業当時から変わらずにあり続ける一軒。長く通う人が多いのも、そんな変わらない安心感があるからかもしれません。
下北沢の北エリア「下北沢一番街商店街」に店を構えて65年以上。かつてはそば屋が多かったというこの街で、いまでは最も古い老舗として残っています。
常連から初めての来店客まで、分け隔てなく温かく迎えてくれます。
『Pheasant』店主・田中寛人さん(右)、齊藤帆高さん(左)
「『廣栄屋』では、最近の下北沢では珍しい、昔ながらのローカルな雰囲気を味わうことができるのでおすすめです! 味はもちろん、満足度の高いボリュームのあるメニューが豊富に揃っているので、後輩や仲間と仕事前によく訪れます」
この記事の内容は2026年05月14日(公開時)の情報です



