昭和の空気を味わえる、ガード下の焼き鳥酒場
上野駅から徒歩2分にある『やきとり 上野文楽』は、創業68年を迎える老舗焼き鳥店。戦後間もなく、飲食店が少なかった上野駅の目の前で看板を掲げ、近くの『アメヤ横丁(アメ横)』が東京有数の繁華街となった今もなお、愛され続ける名店です。ガード下に佇む昭和の面影を今に伝える店内では、昼の時間帯から、新鮮な焼き鳥とお酒が手頃な価格で楽しめます。
『やきとり 上野文楽』は、1948年に上野駅近くのガード下で創業した焼き鳥店。店先に掲げられた赤提灯や壁一面に貼られた短冊メニュー、簡易的なテーブルと椅子でつくられた隣との距離が近い席など、昭和の風情を色濃く残した大衆居酒屋です。戦後、街が復興していくなかで、人々が自然と集まったガード下には多くの飲食店が生まれていったことから、今でもガード下には昭和の時代からタイムスリップしたかのような大衆居酒屋が残り、愛され続けているのです。
『上野文楽』の魅力は、テーブルが通り沿いまで広がり、にぎわいがあふれ出すような開放感。香ばしく焼ける焼き鳥の匂い、楽しげな話し声、肩を寄せ合いながら飲む人々の笑顔に、通りがかる人々もつい足を止めてしまいます。
通りに広がった席もすべてお客さんで埋まる、活気ある雰囲気。寒い日には風よけのカーテンがかけられます。
『やきとり 上野文楽』のこだわりは、その日に仕入れた鶏肉をその日のうちに使い切ること。冷凍肉は使わず、いつ訪れても新鮮な焼き鳥が味わえます。また、鶏肉は国産にこだわっており、なかでももも肉には人気の銘柄肉・鳥取の『大山どり』を使用。旨みが強くジューシーな味わいに加え、塩味、秘伝のたれ味どちらも2本380円と手頃な価格が魅力で、これも大衆居酒屋らしい『上野文楽』の嬉しいポイントです。常連客のなかには、コスパのいい「もも」を何本も頼んで楽しむ人もいるそう。
『大山どり』の「もも」も入った「おまかせ5本盛り」(1150円)は、まず頼みたい1品。日によって変わりますが、この日は左から、なんこつ、はつ、もも、かわ、つくね。なんこつにはしっかり肉がつき、食べ応えがあるのも昔からの変わらないこだわりだそう。
店主おすすめの名物メニューにも、同じく『大山どり』のもも肉が使われています。もも肉の上にたっぷりのにんにく入り特製みそを塗った『みそにんにく』(2本400円)と、香ばしく焼き上げたもも肉をにんにくの効いたたれにくぐらせる『にんにくだれ』(2本400円)。どちらも、頬張った瞬間ににんにくの香りが広がる、インパクトのある味わい。“食べたあとは匂いが気になって人に会えない(笑)”なんて声も出るほどパンチのある味ですが、一度食べると忘れられない味として親しまれています。
熟練の技で、外はこんがり、中はジューシーに次々と焼き上げられていきます。
『やきとり 上野文楽』は開店時間が早いのも魅力です。平日は12時から、土日祝日は11時から。毎日、昼にオープンし、もちろんお酒も楽しめます。観光の合間に立ち寄る人たち、仕事帰りの人、地元の常連客などなど、さまざまな人たちが昼の早い時間から訪れます。メインは焼き鳥と小鉢などのおつまみで、ご飯ものといった〆のメニューはないため、軽く飲んで食べて次の店へ向かう「はしご酒」にも向いています。なので行列ができていることもありますが、回転は比較的早いので、諦めず待ってみてください。
昔ながらの大衆居酒屋で親しまれてきたお酒『バイスサワー』(460円)は、焼酎の入ったグラスに、しそ風味の鮮やかなピンク色の割材を自分で注ぎながら飲む『中外スタイル』。爽快感あるのどごしで、濃いめのにんにく味もさっぱり。
焼き鳥以外ではずせないおつまみメニューの『牛もつ煮込み』(490円)。あっさりした塩味のスープですが、牛もつがトロトロに柔らかく煮込まれた味わい深い1品。
『牛もつ煮込み』は店長・浅見さんがじっくり大鍋で仕込みます。学生時代に『上野文楽』でバイトしていた浅見さんは店からの熱心な声を受けて戻り、現在は店長を務めています。
この記事の内容は2026年04月15日(公開時)の情報です





