味附海苔を開発した老舗の海苔専門店

山本海苔店日本橋本店

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日本橋・室町に店を構える「山本海苔店 日本橋本店」。1849年にこの地で創業し、日本で初めて「味附海苔」を生み出した老舗の海苔専門店です。広々とした店内では贈答品として親しまれてきた商品たちをじっくり見比べられるほか、焼海苔の実演販売や、炭火で温めた海苔で楽しむ手巻きメニューなど、専門店だからこそできる、海苔の真の味わいに触れる体験に溢れています。

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日本橋・室町で170年以上続く海苔の老舗

「海苔」とは、海藻を乾燥させた日本の伝統的な食材。寿司やおにぎりに使われるものとしておなじみですが、実はそのまま味わっても、香りや口どけ、うま味をじっくり楽しむことができる奥深い存在です。

「山本海苔店」は、産地から仕入れた海苔を厳選し、焼海苔や味附海苔などに仕上げて販売する海苔の専門店。1869年には、海苔に醤油やみりんなどであらかじめ味を付けた「味附海苔」を日本で初めて創製したことでも知られ、贈答品など改まった場面でも選ばれてきたブランドです。

本店があるのは、創業の地である日本橋室町一丁目。周辺には百貨店やオフィスビルが立ち並ぶ、日本橋の中心的なエリアです。創業当時の日本橋には、「魚河岸」と呼ばれる魚市場・問屋街があり、江戸の食文化や商業を支える活気ある場所でした。その名残を感じさせるように、現在も周辺には海産物を扱う老舗問屋が多く集まっています。「山本海苔店」のすぐ裏には、日本橋魚河岸跡の石碑が残っており、この地と海産物の深いつながりを今に伝えています。

海苔には、うま味成分である「グルタミン酸」、「イノシン酸」、「グアニル酸」が含まれています。この3つが揃っているのは、自然食品の中では唯一と言われています。

ガラス張りの外観に、黒の看板と白いのれんが映える本店。凛とした佇まいが印象的です。

周辺にはオフィスビルや「日本橋三越本店」があり、ビジネスパーソンや買い物客が行き交う日本橋の中心部に位置しています。

店の裏には「日本橋魚河岸跡」の石碑があります。日本の昔話に登場する海底の宮殿「竜宮城」の魚たちが日本橋に集まったという意味を込め、竜宮城に住む姫君をイメージした像が設置されています。

新しさと伝統が同居する、開放感あふれる空間

店内は白と黒を基調に、木目をアクセントとして取り入れたモダンで洗練された空間。ロングセラーのギフト海苔である「梅の花」をはじめ、お土産にぴったりな具付海苔、お茶漬け、贈答用の詰め合わせなど、さまざまな商品が並びます。さらに、遠赤外線効果のある専用の海苔焼き器にて店内で海苔を焼く実演販売も実施。焼きたての海苔を持ち帰ることもできます。

店内には、1928年から掲げられている店看板を展示。また暖簾や店舗什器など、創業時から使用されている「まるうめマーク」が随所にあしらわれています。モダンな空間でありながら、老舗ならではの歴史にも触れられる店舗です。

白と黒を基調にした開放感のある店内。飲食スペースに掛かる「YAMAMOTO」の暖簾は、日本橋の店舗装飾を数多く手掛ける新進気鋭の書道家・内山 崚氏によるもの。

木製の棚には、定番の海苔缶から贈答用の箱詰め商品まで、さまざまな海苔が並びます。

店内では、遠赤外線効果のある専用の海苔焼き器で海苔を焼く実演販売も実施しています。

焼海苔は、スタッフが2枚ずつ機械に挟んで焼き上げます。磯の豊かな香りと風味が一層引き立ち、パリッとした食感を楽しむことができます。

代表商品「梅の花」の味附海苔。袋を開けた瞬間、焼きたての鮮度そのままの香りがふわっと鼻に広がります。「梅の花」2号缶 味附海苔2,700円

浮世絵が描かれた小さな缶入りのおつまみ海苔。明太子やわさびの顆粒を挟んだスナックタイプで、お酒のお供やおやつにもぴったり。東京プレミアムおつまみ海苔 各864円。

日本橋本店限定の高級焼海苔。口にするととろりと溶けて広がり、ほのかな甘みを感じられます。(左から)極吟味焼海苔 48袋詰 16,200円、乾海苔10枚入 6,264円

箱の中に入れた炭で海苔を温める「焼きのり箱」は、炭とセットで18,370円。箱の蓋には葛飾北斎の「冨嶽三十六景 江戸日本橋」の浮世絵がデザインされています。

箱の中に小さな炭を入れて火をつけることで、食事の間、焼海苔の香りや風味、パリッとした食感を保ちます。

店内に掲げられた金文字の看板。明治期に活躍した書家・諸井華畦氏と、篆刻家・中村蘭台による作品です。

写真は実演販売で焼く前の海苔を収めている木箱。箱にある「まるうめマーク」は創業当時、江戸前の海では梅の咲く寒中に上質な海苔が採れたこと、海苔が梅の花と同じように香りを尊ぶものとされたことにちなんで考案されました。

日本で初めて「味附海苔」を創製! 創業から続く海苔へのこだわり

「山本海苔店」の味を支えているのが、創業以来続く海苔選びへの徹底したこだわり。海苔は各産地で生産され、細かく等級づけされたあと、入札会が行われます。「山本海苔店」では、熟練のバイヤーがその品質を入念に見極め、おいしい海苔を厳選。さらに、仕入れられた海苔は自社工場の「仕訳技術室」で、技術者によって一枚ずつ、改めて吟味されます。口どけや味、色、形など、独自の基準で見極める二重の選定体制が、「山本海苔店」の品質を支えています。

また「山本海苔店」は、日本で初めて「味附海苔」を創製した店として知られています。1869年、明治天皇の京都還幸に際し、江戸土産として献上する品を作ったのがそのきっかけ。当時、海苔は醤油などをつけて食べるのが一般的でしたが、そのまま食べられる新しい海苔を目指し、試行錯誤の末に生み出したといいます。今でも素材に合わせて配合を変化させながら、醤油やみりん、出汁、砂糖などを絶妙な塩梅でブレンドし、海苔本体のうまみを邪魔しない味付けを心がけているといいます。

日本の海苔の最大産地である佐賀県・有明にある工場の「仕訳技術室」での選定の様子。

焼きたての海苔を味わえる「手巻き YAMAMOTO」

そんな「山本海苔店」がこだわり抜いた海苔をその場で味わえるのが、店内に併設された飲食スペース「手巻き YAMAMOTO」です。ここでは、ご飯と具材を焼きたての海苔で包んで味わう「手巻き」を体験できます。メニューは、おにぎりの名店「ぼんご」の女将が監修した「YAMAMOTO手巻き」(1,980円)と、日本橋割烹の老舗「日本橋ゆかり」当主が監修した「日本橋1000年手巻き」(3,630円)の2種類。特に「日本橋1000年手巻き」では、鰹節・出汁の専門店である「にんべん」と佃煮店の「貝新」が手がけた昆布の佃煮にんべん和え、すき焼きの名店「伊勢重」が手がけた牛そぼろのさくら煮など、東京・日本橋を代表する老舗の味を、海苔で包んで味わうことができます。

使用する海苔は、看板商品である「梅の花」。提供する直前に、目の前の海苔焼き器で焼き上げられます。焼き上がった海苔は炭を入れた「焼きのり箱」で提供され、食べ終わりまで温められた状態で食べることができます。

買い物をするだけでなく、焼きたての海苔を白米とともに、もっともおいしい状態で味わう。海苔専門店の本店だからこそできる、贅沢な体験です。

店に入ってすぐ左手にある暖簾をくぐると見える飲食スペース。8席ほどの小さなカウンター席になっています。

写真は「日本橋1000年手巻き」。おひつに盛られた白米、味噌汁、海苔で巻く具材がセットになっています。

海苔は看板商品の「梅の花」。追加料金で、最高級の焼海苔「やまもと」に変更することも可能です。

焼きたての海苔は炭を入れた専用の焼きのり箱で提供され、最後まで温められた状態で食べることができます。

「日本橋1000年手巻き」のセットの具材は全部で12種類。「本まぐろの中トロと赤身醤油糀かけ」、「うなぎの蒲焼山椒風味仕上げ」、「卵黄しょうゆ漬」、「シン納豆」などさまざまな“和”の味を楽しむことができます。

まずは手のひらに海苔を置き、白米をのせます。このとき、欲張りすぎず少なめにご飯を盛るのがきれいに巻くコツ。

好きな具材をご飯の中央に載せます。

御膳についてくる台にそのまま乗せれば、海苔の先端がせり上がって、自然と手巻きの形になります。

Photo: Shiho Akiyama

この記事の内容は2026年07月21日(公開時)の情報です