2026.06.22
原宿の路地裏で更新されるユースカルチャーの実験場
原宿駅から千駄ヶ谷小学校に向かって歩いていくと現れる『CC STORE』。2025年に東京のユースカルチャーシーンを牽引する2人の邂逅によって誕生したコンセプトストアです。ここには感度の高いファッショニスタをはじめ、国籍や年齢、肩書きを超えて訪れる人たちの“リアルタイムの東京らしさ”を共有できる空気が流れています。
『CC STORE』を語る上で欠かせないのは、オーナーを務める2人の存在です。ひとりは原宿の古着シーンで異彩を放つ『PAT MARKET』のメンバー・JIN氏。もうひとりは国内外から熱視線を浴びるアーティストであり、『COMET©︎』を率いるYAMEPI©氏。今、原宿でもっともリアルな20代の感性が、このショップには鮮やかに落とし込まれています。
写真左から、JIN氏、YAMEPI©氏。2人の感性が次なる東京カルチャーの一端を牽引していくのでしょう。
アイコニックなCCロゴの扉を開いた先にさまざまなウェアが出迎えてくれます。
ショップの目印は野方ホープ。階段を上がって2Fに入り口があります。
内装は『PAT MARKET』のメンバーでもあるHikaru氏と、『COMET©︎』クルーでアーティストのJujiro氏が中心となり、D.I.Y.でデザインされました。無機質な什器に、色鮮やかなアーカイブとも呼べる古着などが映える空間は、単なるショップというより彼らの“遊び場”であり、“実験場”に近い雰囲気を漂わせています。「現行のファッショントレンドに、古着で対抗している」とJIN氏。その言葉通り、ここには既存のトレンドに迎合しない、彼らなりの正解が並んでいるのです。
『CC STORE』では、ラックごとに独自のテーマを持ったセレクトが楽しめます。そのひとつが、アーティスト・YAMEPI©氏の感性が遺憾なく発揮されている、2025年1月スタートのブランド『¥AM®︎』です。コンセプトに掲げるのは“TIME IS MONEY”。¥マークや札をモチーフにしたアイコニックなタグには、ストリートから資本主義を眺める彼なりのユーモアと毒気が込められています。
また、ショップにはアーティスト・YAMEPI©氏の作品をモチーフにしたオリジナルグッズもラインナップ。不定期でリリースされるこれらのプロダクトを、実際に手に取り、作り手の熱量を直接感じながらディグる。デジタルネイティブな世代だからこそ大切にする、リアルな現場の空気がそこには充満しています。
YAMEPI©氏が描く独特なタッチのファッションキャラクターたちは唯一無二。 YAMEPI©のBOYSラグラン 各15,400円、
カラバリが豊富なのもYAMEPI©グッズの魅力のひとつです。スウェット 各16,500円
JIN氏がHIKARU氏とともに手がける『CORRIDA』のセレクトラックは、90年代から2010年代のストリーブランドからデザイナーズブランドや今肌感でいいと思えるヴィンテージをセレクト。一方、YAMEPI©氏と『COMET©︎』メンバーがセレクトするのは、1990年代~2010年代の裏原、恵比寿系ストリート。この2つの潮流が隣り合うラックは、一見カオスにも見えますが、そこには確固たる美学が貫かれています。
お気に入りの1着を見つけやすいよう、『Corrida』のセレクトラックはメンズとレディスでも分かれている。
2010年代の東京ストリートファッションシーンで大きな支持を得ていた「PHENOMENON」。今でもそのデザインの存在感はすごい。ジャケット 各44,000円
過去の遺産を今の感性で再編集し、トレンドに対するカウンターとして提示する。この場所で日常的に交わされるカルチャー談義が、新しいムーブメントの種火となっています。ちなみにショップ名の由来は、『Corrida』と『COMET©︎』の頭文字から名付けられました。
『COMET©︎』クルーのラックでは、「A BATHING APE®」や「Stüssy」「WHIZ LIMITED」「SWAGGER」など、1990年代から2010年代の東京ストリートカルチャーを支えてきたブランドの古着をセレクト。今後は古着の数を減らして「¥AM®︎」のアイテムを拡張していくそう。
『CC STORE』が提案するのは、1990年代から2010年代のアーカイブを、自らの感性で再解釈するスタイルです。単なる古着ではなく、そこに音楽やアートの文脈を乗せることで、唯一無二のスタイルへと昇華させています。ここでは、メンバーそれぞれのルーツが色濃く反映されたコーディネートを紹介します。
原宿の路地裏に佇む『CC STORE』。その扉を開けた先で出会うのは、単なるプロダクトではありません。それは、五感を刺激するアートか、あるいは人生をともにする1着か。ここで目にするのは、次なるカルチャーが産声を上げる瞬間の輝きです。東京の今という熱量を体感しに、ぜひ自身の足で訪れてみてください。
この記事の内容は2026年06月22日(公開時)の情報です







