下北沢の路地裏にある、上質な古着と出会える店

e’s yarn

住所
東京都世田谷区代田5丁目35−26 1-A e's yarn
最寄駅
下北沢駅 徒歩2分
支払情報
現金、クレジットカード
SNS
Wi-Fi

下北沢にある『e’s yarn』は、『Eddie Bauer』『GAP』『L.L.Bean』『LANDS’ END』など、アメリカのカジュアルブランドやアウトドアブランドの80~90年代の古着を扱う店。オーナーが実際に着たことがあるブランドに絞ってセレクトされており、古着とは思えないほど状態のよいものが揃います。店内では1点1点を丁寧に整え、見やすく陳列。服を選びやすくするための工夫が随所に感じられます。流行に左右されず、自分の感性にしっくりとくる一着に出会える店です。

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静かな路地裏にある、状態の良い古着だけが並ぶ古着店

『e’s yarn』は、下北沢駅のメインエリアとは反対側、西口の鎌倉通りから路地に入った静かな一角にあります。ウッド調でまとめられた店内は、あたたかみのある落ち着いた雰囲気。そこに並ぶのは、オーナーの江邉良介さんがこれまで実際に着たことがあるブランドの80~90年代の古着です。ブランドの特徴や着心地、品質について、深く理解しているからこそ、お客さんに伝えることができるのだといいます。さらに、商品は状態の良いものだけを厳選。買い付け後には、オーナー自らが1点1点、丁寧に洗いとアイロンがけをしてから店頭に並べています。そうした誠実な手入れと確かな目利きが、多くのお客さんの信頼につながっています。

静かで人通りもまばらな鎌倉通り。

鎌倉通りの路地に入ると目に入るミントグリーンの看板が目印です。

「目的地として訪れたくなる店にしたい」というオーナーの思いから、古着屋や飲食店が多くあるエリアとは反対側の場所に2018年にオープンしました。

広さ22.8㎡の店内。内壁をすべてウッド調にすると空間が狭く感じられてしまうため、あえて白壁の部分を残しているそう。

店内でよく流れているレコードは、モート・ガーソンの『MOTHER EARTH’S Plantasia』。

天井にかけられた、山梨に拠点を置く『listude』の八面体のスピーカーから曲が流れています。

中学生のころから服に興味を持っていたという江邉さん。いつも靴のソールにお小遣いの1万円札を忍ばせては、大阪・アメリカ村にある古着店へよく通っていたそう。

80~90年代のアメリカ発祥ブランドが中心

『e’s yarn』に並ぶのは、『Eddie Bauer』『GAP』『L.L.Bean』『LANDS’ END』など、アメリカのカジュアルブランドやアウトドアブランドの80~90年代の古着。この年代は、カジュアルブランドが勢いを増し、カラフルな配色や多彩なデザインの服が多く生まれた時期でもあります。そのため『e’s yarn』にも、ベーシックなカラーだけではなく、豊かなカラーバリエーションのアイテムも揃っています。

江邉さんがセレクトするうえで重視しているのがサイズ感です。アメリカ規格の服は、大きいものが多いため、S、Mサイズを中心に展開。ですが、なかには大きめの服でも、現地の強い乾燥機にかけられることで縮み、結果としてバランスよく着られるサイズ感になっているものもあるのだとか。

また、メンズだけではなく、レディースも数多く扱っているのも特徴です。レディースをセレクトする際、「もし自分が女性だったら、どんな服を着たいか」という視点を大切にしているといいます。イメージが湧かないときは、その場にいる女性スタッフに着てもらい、実際の着こなしを確かめることも。江邉さんは一人でアメリカまで買い付けに行き、900点を超えるアイテムを仕入れることもありますが、1点1点に妥協のない目利きをしています。

店に入って左側にはメンズアイテムが並びます。

右側にはレディースアイテム。レディースのアイテムは、ワンピースやスカートも並んでいます。

店奥にある試着室。江邉さん自身が、サイズ感を大切にしているからこそ「気になる服があればぜひ気軽に試してほしい」そう。

メンズの90年代『J.CREW』の名作として知られるコットンアノラックパーカー。

このタグは巨人タグと呼ばれ、90年代に使われていたもの。

上と中央が『LANDS’END』、下が『L.L.Bean』のアメリカ製コットンニット。

『e’s yarn』ではコットンニットの品揃えが特に豊富です。

メンズの90年代『TRAVEL SMITH』のシルク素材のシャツ。

メジャーなブランドではないですが、江邉さんいわく、洗濯をしてもへたらず、デザインもいいものが揃っているのだそう。

レディースの80年代『Eddie Bauer』のアニマルシリーズのニット。

当時、アウトドアブームの影響で生産量が増え、デザインのバリエーションも広がったそう。

今ではあまり見られない、ペールトーンの色使い。

レディースの80年代の『Brooks Brothers』のアイリッシュリネンシャツ。

アイリッシュリネンは、リネンのなかでも最上質とされる素材。

着こまれた古着だからこそ、生地には柔らかい風合いが生まれています。

レディースの『Timberland』(左)と『LANDS’END』(右)のモックシューズ。

スエード素材を用いた、着脱のしやすいかたち。

レザー素材で、ソール部分にブランド名が入っています。

お客さんが服を選びやすいよう設計された店内

整然と商品が並ぶ店内には、一見しただけでは気づかないほどの細やかな工夫が施されています。例えば、ラックの高さ。メンズとレディースで位置を変え、それぞれの平均身長に合わせて、服が見やすい高さに調節しているそうです。さらに、服はすべて等間隔でラックに掛けられています。その間隔は、なんと江邉さんがハンガーの間に指3本分を入れながら地道に揃えていくのだとか。ほかにも、定規で長さを測りながら丁寧に畳んだり、すべての商品に番号入りのタグを付けて管理したりと、その徹底ぶりには驚かされます。けれど、それは単に几帳面だからではなく、根底には常にお客さんのことを第一に考える江邉さんの思いがあります。

 

「商品をきれいに見せるためでもありますが、何よりお客さんが来店したときにクリーンな印象をもってほしいですし、心地よく服を選んでほしいんです。古着は、しわや汚れがあるのが前提と思われがちですが、1点1点丁寧に洗うのは当然のことだと思っています。店に並ぶ服の魅力がお客さんにより伝わるように、陳列にも力を入れています」(江邉さん)。

メンズ、レディースそれぞれの平均身長に合わせた高さのラック。売り場づくりのノウハウは、『e’s yarn』をオープンする前に8年間働いていた『UNIQLO』で培ったものだそう。

等間隔に掛けられた服。あまりに美しく整えられていて、触れて崩してしまうのが申し訳ないというお客さんからの声もあるそう。けれど「気にせずに、どんどん手に取って見てほしいです!」と江邉さん。

開店前や閉店後に、等間隔に整えているんだそう。

購入してもらった服を渡す際、定規を使って畳みはじめると、その様子に驚くお客さんも多いそう。そこから会話が弾むことも、この畳み方を続けている理由のひとつ。とはいえ、「急いでいるお客さんがいれば、定規は使わずに、急いできれいに畳んでお渡しします(笑)」と江邉さん。

商品ひとつひとつにつけられている手作りのタグ。

購入された商品の情報は、誰が買ったかまで紐づけて管理。よく来店するお客さんであれば、その人の好みを踏まえ、以前購入したアイテムにあう1着を提案することもあるそうです。

自分らしさを紡ぐ『e’s yarn』の服選び

店名の『e’s yarn』には、「自分なりの物語を紡いでいく」という意味が込められています。そんな『e’s yarn』が提案するのは、好きなものを自由に取り入れるスタイリング。流行のカラーや決まりきった着こなしにとらわれず、自分なりの感覚で選んだアイテムを組み合わせることで、その人らしさが自然とにじみ出ると江邉さんは言います。

「もっと服を楽しんでほしいという思いがあります。自分のライフスタイルや型に無理にはまらなくていいと思うんです。今は服そのものが売れにくい時代なので、色数が少なく、無難なデザインのものがつくられる傾向にあります。でも、80〜90年代は多彩なデザインの服がたくさんつくられた時代でした。だからこそ、もっと自由に、自分らしい着こなしを楽しめると思うんです」(江邉さん)。

流行や正解に寄りかかるのではなく、自分の感性を頼りにアイテムを組み合わせ、その人らしさを形にしていく。そんな服の楽しみ方こそが、この店の考え方です。

トップスは、2000年代の『BANANA REPUBLIC』のコットンニットパーカーと90年代の『PERRY ELLIS』のロンTをレイヤード。ミリタリーパンツは近年のもので、半端丈に直したものを合わせています。

江邉さんが中学2年生のときに古着店で初めて購入した『Eddie Bauer』のベルト。今でもきれいに保管し愛用しているそう。

イギリスの郵便事業を営む『Royal Mail』の郵便局員にのみ渡されていた、『Dr. Martens』の 希少なシューズ。

 

※商品の価格は店舗へお問い合わせください。

 

Photo: Yuji Sato

この記事の内容は2026年04月27日(公開時)の情報です