レコード文化を夜の渋谷で受け継ぐミュージック・バー

Tangle

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無し

渋谷駅の井の頭線西口から、坂道を少し上った比較的静かな裏エリア。そこで10年目を迎えた『Tangle(タングル)』は、美味しいお酒と、いい音楽が聴けるミュージックバーです。レコードを中心にさまざまな音楽が流れる店内には、センスの良い人たちが集まり、1人でも過ごせるアットホームな空気が流れています。

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渋谷の中でも格別な雰囲気を持つミュージック・バー

アナログレコードが再び人気を呼び、この数年で多くのレコード・バーができ始めている渋谷エリア。ヒップホップやクラブミュージック、そして”渋谷系”と呼ばれる日本人アーティストを中心とした音楽ムーヴメントを主体に、90年代にレコード・タウンとして栄えてきた渋谷ですが、そんな音楽の街・渋谷にレコード・バーができることは自然な流れでもあります。その中でも、レコードを中心にいい音楽が聴ける「Tangle」も、他にはない独自の魅力があります。


かつて新宿で多くの音楽ファンに愛された老舗ロックバー「Rock’in ROLLING STONE」で働いていたマイケルさんとミオさん。自分たちを育ててくれた店を失った経験を元に、次は自分たちで新しい店をやってみようと思っていたところに、前のオーナーから声をかけられ、渋谷に「Tangle」をオープンしました。「最初は未完成の状態で、はじまりました」(ミオさん)と言うこの店は、10年の月日を経てアップデートされ、今では店の常連だけでなく、世界各国から噂を嗅ぎつけた音楽が好きな人たちが自然と集うようになっています。

雰囲気のある空間にはポスターや絵が飾られてある。目に入るのはサインが書かれたYO LA TENGOのポスター。

新旧問わず、ジャンル問わず、発見が必ずある音楽を紹介

ビルの階段を上がった先の店の入り口の扉には、マイケルさんとミオさんが、その日の雰囲気に合わせ選んだアルバムのジャケットが展示されています。そして扉を開けると、目の前にはボブ・ディランのアルバム『血の轍』のジャケットが。店名の「Tangle」とは、このアルバムの中に収録されている名曲『Tangled Up In Blue(邦題:ブルーにこんがらがって)』にインスピレーションを受けたそうです。

「『Tangle』には“こんがらがる”という意味がありますが、人との出会いや、付き合いにおいて、ぶつかったり、こんがらがることを恐れない。こんがらがることの面白さを受け入れることで、新しいものが生まれるのではないかと思い、店名にしました」とマイケルさん。長いこと音楽を心から愛してきたからこそ、辿りついた店名であることがわかります。店では、ミオさんとマイケルさんが交代で音楽をセレクト。
ジャンルは実に幅広く新旧問わず、ロック、ブルース、ジャズ、ダブ、現代音楽、ヒップホップ、南米やアフリカ音楽など、ふたりがいいと思う音楽を紹介しています。また、週末にはDJが入るイベントも行われ、ひと味違う時間を楽しむこともできます。

ビルの階段の入り口には看板があるので、そこから3階にある店までは階段を使って上がります。

店の入り口のドアには、今日のお勧めのレコードジャケットが飾られている。

入り口のドアを開けた目の前には、店名の由来となるボブ・ディランのアルバムジャケットが。

店内にあるDJブース。その後ろにはマイケルさんとミオさんのレコードが置いてある。

ミオさん(左)とマイケルさん(右)。店では、ふたりが交互にDJをしています。

マイペースに時間を過ごせる居心地の良い空間

店内にはバーカウンターとテーブル席(日によってなくなります)があり、コロナ禍に設置したというバーの中と外を仕切る額や飾られているドライフラワーが、あたたかい間接照明と調和し、独特の雰囲気を醸し出しています。奥にはタバコの匂いが外に漏れないおひとりさま専用の喫煙所があり、山積みになった本はマイケルさんがこれまでに読んできたアーティストの伝記、インタビュー集、アート関連の本、写真集などのオーナー私物が自由に閲覧できます。2枚の大きな絵は、店と付き合いの深いアーティストAtsuya Nagataさんが『Tangle』をイメージして描いたものだそうです。


お勧めのお酒は、店オリジナルメニューの“Tangle Hi”(800円)。焼酎を店オリジナルのジンジャーシロップとソーダで割って、ガリを入れたもの。関西では”ガリ酎”と呼ばれるものですね。少し甘めでさっぱりした口当たりでお酒がすすみます。また、焼酎をルイボスティーで割った”Africa Wari”(600円)も人気だそうです。
訪れるお客さんは常連さんから海外の人たちまでさまざまで、「ひとりで遊びにきても大丈夫」とミオさんが言うように、空間には安心できる空気が流れ、センスの良い人たちがそれぞれの時間を過ごすことができます。そしてやはり最高なのは、スピーカーから響く心地よい音。どの曲もさらに魅力的に聴こえてくる……それが「Tangle」の魔法です。

アーティストAtsuya Nagataによる店をイメージした絵画。

店の奥にある小部屋の喫煙所からはタバコの煙が漏れません。

置いてある本は閲覧自由。スマホを手放して本を読む時間もいい。

オリジナルメニューのTangle Hi(800円)。焼酎はキンミヤを使用。ガリが入っているので、お箸付きででてくる。

東京・渋谷のクラブ事情を詳しく知りたい

Photo: Yuma Yoshitsugu / Text: Kana Yoshioka

この記事の内容は2025年12月12日(公開時)の情報です