入浴からビール、宿泊まで楽しめる、次世代の銭湯文化を体験

黄金湯

公式サイト
住所
東京都墨田区太平4-14-6 黄金湯
最寄駅
JR錦糸町駅北口 徒歩10分
URL
https://koganeyu.com
支払情報
現金、PayPay
SNS
Wi-Fi
有り
料金
大人(18歳以上)550円、中学生450円、小学生200円、幼児100円。 サウナ:男性+550円/土日+600円(2時間)、女性+350円/土日+400円(2時間)
備考
水曜のみ男女入れ替え日になります

古くから人々の暮らしを支える公衆浴場として親しまれてきた日本の銭湯。日常の延長として親しまれてきたその存在が、いま大きく変わってきています。クラフトビールやカフェ、宿泊機能などを備えた「銭湯+α」の施設が続々と誕生。錦糸町の『黄金湯(こがねゆ)』は、その代表的な存在です。伝統を受け継ぎながら、新しい楽しみ方を提案する銭湯カルチャーの最前線を紹介します。

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「銭湯+α」の場所として近年の銭湯文化を牽引

銭湯とは、地域に根ざす公衆浴場のことを指します。個人の家に内風呂がなかった時代から、人々の生活を支えてきました。あくまで日々の暮らしの延長線上にあるのが特徴。その性質から、非日常を楽しむ旅館やスパとは値段から異なり、都内では誰でも550円(大人)で入浴することができます。そんな普段使いの銭湯に、近年は入浴後に食事やクラフトビールを楽しめるスペースを併設するなど、「銭湯+α」の時間を過ごせる場所が増えています。自宅に風呂があるのが当たり前の現代、銭湯は『非日常の空間」としても進化を遂げています。

錦糸町にある1932年創業の『黄金湯』は、2020年のフルリニューアルを機に注目を集めた銭湯。昔ながらの銭湯の風情を残しつつ、DJブースやビアバー、食事処に宿泊施設までを備えた「泊まれる銭湯」として再出発。感度の高い若者たちからの支持得て、銭湯・サウナブームを牽引する存在となっています。

下町の住宅街に佇む『黄金湯』の外観。従来の銭湯の面影を残しつつ、ミニマルなサインで現代的にアップデートされている。

光が差し込む明るい番台(フロント)。裏側にビアバーとDJブースを備える。

ビールのタップは4種類。自社醸造のクラフトビールが楽しめる。

スタッフの提案で置かれたターンテーブル。選曲は邦楽・洋楽ジャンル問わず流れていて、中には常連が持ち込んだレコードも。

物販コーナーには、オリジナルの今治タオルや手ぬぐいが並ぶ。タオルを忘れても心配なし。

サウナ愛好家が集う、こだわりの麦飯石サウナ

脱衣所で着替えを済ませ、広々とした浴室に足を踏み入れると、現れるのは整然と並ぶ洗い場と、温度の異なる3つのお風呂。地域の公衆浴場である銭湯では、常連同士の挨拶や世間話なども当たり前の光景。日本の日常に触れるローカルな体験を楽しめます。そして、奥には別料金で入れる麦飯石を用いた本格的なサウナ室。深さ90cm、広さも十分な水風呂と外気浴スペースも用意され、コンパクトながら質の高いサウナ体験ができるとあって、サウナーと呼ばれるサウナ愛好家たちからも人気です。

最近では、新たなサービスとして、植物の束を用いて施術者と1対1で行うトリートメント「ウィスキング」もスタート。さらに2026年6月下旬には新宿に2号店『黄金湯 新宿店』のオープンを予定しているなど、従来の銭湯の枠組みを超え、常に新しい仕掛けを生み出し続けている注目の銭湯です。

内湯は「43~44度のあつ湯」「日替わりの薬湯」「人肌の炭酸泉」「水風呂」を用意。

麦飯石の壁による輻射熱とオートロウリュでしっかりと温まるサウナ室。Photograph : Yurika Kono

水風呂の水深は90cm。水温は約15度に保たれ、効率良くクールダウンが可能。

外気浴スペースにはゆったり座れるアディロンダックチェアが7脚。

見上げると黄金湯の煙突がすぐそこに。風情を感じます。

風呂上がりを楽しむ、クラフトビールとサウナ飯

風呂上がりの一杯は銭湯文化に欠かせない醍醐味ですが、『黄金湯』のそれはひと味違います。なんと自社醸造のクラフトビールや、季節限定のコラボ銘柄を樽生で提供。DJブースから流れる音楽を聴きながら、ビアスタンドの様にリラックスして過ごせます。さらに併設する『コガネキッチン』では、爽やかな汗をかいたあとにぴったりの“サウナ飯”も用意。身体を冷やしにくいとされるラム肉を使った「ラムラムキーマ」や「ラムバーガー」は、臭みが少なくスパイシーな満足感。自家製シロップの「いちごミルク」も評判です。

Hazy IPAの「スコール」700円。クラフトビールは黄金湯がもつ醸造所「BATHE YOTSUME BREWERY」で製造される。

20種類のスパイスを使った味わい深い「ラムラムキーマ」(1280円)、自家製の「いちごミルク」(500円)。

2階にある『コガネキッチン』。宿泊スペースとも近いので利用しやすい。

食事ができるラウンジも併設されているので、ゆったりと過ごせる。

「銭湯に泊まる」という新しい体験

館内には宿泊施設も併設されています。ゆっくりと休みたいなら、そのまま2階の『黄金湯 お宿』へ。畳が心地よい和室やデスクスペースを設けた洋室があり、ホステルのような気軽さで宿泊することが可能です。宿泊者は銭湯が入り放題(16時~24時30分、翌6時~9時)なので、心ゆくまで銭湯文化を堪能することができます。「銭湯に泊まる」という貴重な体験は、きっと旅のハイライトになりますよ。

和室は全4室。大きめのカプセルが連なる、圧迫感のないデザイン。

ドミトリー形式だが、ロールスクリーンで目隠しができプライベートが保てる。

今治タオル生地の特製館内着は、ちょっとした外出にも違和感のないオシャレなデザイン。

旅行者に嬉しい「ランニングステーション」

さらに『黄金湯』は、ランナーのための更衣室・荷物預かり・入浴がセットになった「ランニングステーション(ランステ)」として利用することもでき、営業時間内であればいつでも、無料でこの機能を利用できます。使い方は簡単。脱衣所でランニングウェアに着替え、専用のロッカーに荷物を入れたら、フロントで鍵を預けるだけ。利用証になる札を受け取れば、余計な荷物を持たずに東京の街へ走り出せます。走り終えて帰着したら、札とロッカーキーを交換して入浴スタート。そこから2時間、お風呂とサウナをたっぷりと堪能できます。

ランステ利用者の専用ロッカーは、コインランドリースペースに併設。 ロッカーはリニューアル前の脱衣所で使われていたものを利用している。

専用ロッカーの伴は、荷物を入れた後にフロントに預けることが可能。

電流で深部をほぐす、新感覚のボディケア

ランニングとサウナで全身を緩めたあとにぜひ試したいのが、施設内に併設された整体院「電力整体」です。電気の力で筋肉をほぐすオリジナル技術「流筋ボディケア」を受けられる、一風変わったリラクゼーションスポットで、電流を用いて通常の指圧では届かない身体の深部へとアプローチ。背中に当てられた電流がおへそまで響く感覚は、簡易的な電気施術とは一線を画します。電流の強さは好みに合わせて細かく調整できるため、初めてでも安心。慢性的な疲労の改善や、スポーツ後のコンディショニング目的での利用者も多く、ランナーにとっても心強い味方になってくれるはずです。

指圧などはせず、専用の機器を用いて電気でコリにアプローチ。

光が差し込み、清潔感のある施術室。流筋ボディケアは初回のみ60分コース(4,800円)。

明るいスタッフがフレンドリーに迎えてくれる。営業時間は11:00~23:00(第2,4月曜定休)。予約は公式LINEか黄金湯のフロントにて受付。

『黄金湯』は、ラン、サウナ、食事、リラクゼーション、そして宿泊。点在しがちな旅の目的を一つの施設内で完結できる、極めて効率的で贅沢な拠点なのです。

Photo: Yuji Sato / Text: Ryo Ishii

この記事の内容は2026年04月09日(公開時)の情報です