全室がアート作品。 “アートに泊まる”特別なホテル体験を

BnA_WALL

公式サイト
住所
東京都中央区日本橋大伝馬町1-1
最寄駅
小伝馬町駅 徒歩4分
URL
https://bnawall.com/
支払情報
ホテル:事前決済 (現地では差し込みのクレジットカード) カフェ・バー:クレジットカード・交通系・QRコード決済
SNS
wi-fi
有り
注釈
※週替わり・月替わりでイベントも開催。最新情報はInstagram(@bna_wall)でチェックできます。 ※併設のカフェバー「STAND BnA」(@standbna)では、宿泊者以外の方も利用可能。 ※巨大壁画「WALL」は1〜2ヶ月ごとに新しいアートへと描き変わります。

『BnA_WALL』は、東京・東日本橋に位置するアートホテルです。全客室をアーティストと共同で制作しアートに泊まるという特別な体験ができます。館内中央には6m×6mの巨大ウォールアートがあり、完成された作品だけでなく、制作過程や変化そのものを楽しめるのも大きな特徴です。さらに、ロビーには誰でも立ち寄れるカフェバー『STAND_BnA』が併設され、地下のクリエイティブラボではイベントや展示も開催。多様な文化的要素が融合した場として注目を集めています。宿泊そのものがアート体験となる、唯一無二の空間です。

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雑居ビルから始まったホテル、10周年で原点を公開

『BnA_WALL』は、2015年に東京・高円寺の雑居ビルの一室から始まったアートホテルプロジェクトです。当時からアーティスト自身が家具や照明を含めた空間全体をDIYで設計し、「まるごと作品」として構築してきました。2025年にはプロジェクト始動から10周年を迎え、その原点とも言える初期のDIYアートルームが館内に再現展示されています。この展示は、創業初期から関わるアーティスト・松岡洋太、かつまたひでゆき、苦虫ツヨシの3名によるもので、当時の壁画や家具、照明の質感まで忠実に再現。来場者は空間ごとに込められた創業の思想を体感できます。

東京・東日本橋の交差点に位置する建物全体が、アートを内包したホテル。

10周年記念グループ展で再現された初期DIYアートルーム。

2015年当時、雑居ビルの一室から始まった『BnA』の原点を、家具・壁画まで忠実に再現。

来場者が当時の空間スケール・歴史を体験できる構成になっている。

アーティストが手掛ける客室作品でアートに没入する宿泊体験

『BnA_WALL』のすべての客室は異なるアーティストが手掛けており、コンセプト設計から壁画、家具、照明に至るまで空間全体がひとつの作品として構築されています。宿泊者は作品世界に没入でき、まるでアートの中で暮らすような体験が可能です。代表的な客室には、松岡洋太氏による『The World After Five Minutes』、COLLIU氏による『桜色の絨毯の部屋』、Mako Principal氏による『SUSHI WARS』などがあり、それぞれが独自の色彩、質感、演出で異なる世界観を表現しています。さらに、宿泊収益の一部は制作したアーティストに還元される「パトロン」システムも採用。滞在することで、持続可能なアート支援ができるんです。

客室「The World After Five Minutes」。アーティスト・松岡洋太氏による、大胆な筆致と80年代Memphisデザインを思わせるリズミカルなパターンが壁一面に広がる空間。造作や照明も含めて一体設計され、宿泊者は全身で色と形のエネルギーを感じられる。

制作時に実際に着用していたペインターパンツ

ペイント用バケツも展示。

QRコードから制作風景を視聴でき、部屋が完成していく過程を追体験できる。

鮮やかな客室とは対照的に、シャワールームは落ち着いた色調で統一。

明るい洗面台とモダンなデザインが、空間をすっきりと見せます。

客室「桜色の絨毯の部屋」。アーティスト・COLLIU氏が手掛けた、柔らかな桜色のカーペットと光の演出が印象的な空間。屏風やテーブルなどの造形物も全体の色彩計画に組み込まれている。

壁にかけられたラグアートが、柔らかな桜色の世界をより深く感じさせます。

桜色の世界を引き立てる、存在感のある屏風。

色と形で空間を彩る、アートのようなテーブルオブジェ。

客室「SUSHI WARS」。アーティスト・Mako Principal氏による、寿司モチーフとポップカルチャーを融合させたユーモラスな空間。

寿司モチーフの世界へと誘う、小さな入り口が印象的。

ベッドサイドや壁面には、寿司のネタをモチーフにしたグラフィックが散りばめられている。

細部までこだわった座布団やテーブルが、日本文化を感じさせます。

高さ6mの巨大アートウォールで変化するアートを体験

館内中央の吹き抜けには、高さ6m×6mのアートウォールがあります。旧駐車場をリノベーションしたこの空間は、1階ラウンジから地下ファクトリーへと貫かれ、まるで建物自体がキャンバスとなるような構造に。この壁面は、国内外のアーティストによって定期的に描き替えられます。制作中にはラウンジからその様子を間近に見ることができ、宿泊者や来訪者は“完成されたアート”だけでなく、“変化し続けるアート”に触れられるのが最大の魅力です。

取材時はアーティスト・松岡洋太氏が手がけた壁画が展示。

これまでメインのアートウォールを担当したアーティストのサインも必見。

壁面脇に刻まれたサインは、プロジェクトの歩みと国際的な交流の証となっている。

世界各地のアーティストが参加する滞在制作を実施

『BnA_WALL』では、アーティストがホテルに滞在しながら制作する「MIR(Muralist in Residence)」を不定期で実施しています。制作は階段や共用部など館内各所で行われ、宿泊者はそのプロセスを間近で体験できます。作品は完成後も館内に常設され、滞在型の展示空間としてホテル自体が進化していきます。これまでに日本国内外から26名(日本人14名)のアーティストが参加し、ESCIF(スペイン)やSAKOASKO(コロンビア)といった国際的な作家も含まれます。

階段壁面にも常設アートを設置。世界7大陸から集まったアーティストが描いた作品が連なり、宿泊者は移動のたびに異なる世界観を楽しめる。

「MIR(Muralist in Residence)」滞在制作中のアーティスト。

滞在期間中、宿泊者は作品が完成していく過程を間近で体験できる。

宿泊者と地域をつなぐ、開かれたカフェバー『
STAND_BnA』

1階ロビーにはカフェバー『STAND_BnA』が併設されており、宿泊者と地域のクリエイターが出会い、交流するカルチャーハブとして機能しています。昼はスペシャルティコーヒーや軽食を提供するカフェ、夜はアルコールを楽しめるバーに変わり、イベントスペースとしても活用。トークイベント、ZINEの販売、ライブ演奏など多彩なプログラムが開催され、国内外のゲストと地域の人々をつなぐ、ひらかれた場として支持されています。この空間設計を手掛けたのは、BnA創設メンバーでもある建築家・福垣慶吾氏。開放的な空間構成により、アートと人が自然に交わる導線が生まれています。

人気ドリンクやスイーツは季節ごとに変わり、イベント限定のコラボメニューも登場。味と見た目の両方で楽しめる。

カウンターのカラーは定期的に変化し、空間にアクセントを加えています。

カフェバー『STAND_BnA』。宿泊者や地域のクリエイターが集い、偶発的な交流が生まれる場に。

イベント時には、アーティストトークやライブなど多彩なプログラムが開催され、地域住民や海外ゲストとの交流の場となる。

展示アーティストのZINEや限定グッズをロビーで販売中。旅の記念に。

独特な存在感を放つ、人型ライトが人気。

東京の魅力を紹介しているZINE「TOKYO Nippashi's Guide」は必見!

<INFO:施設サービス一覧>
Wi-Fi:全館無料
シャワー・洗面台:各客室に専用のバスルーム(シャワー・洗面台・トイレ)つき
ランドリー:無し
キッチン:無し
アメニティ:基本的なアメニティ(タオル・歯ブラシ・シャンプー・ボディソープなど)は客室に用意されています。ただし追加タオルや特別なアメニティは有料の可能性あり。
禁煙・喫煙:館内禁煙
荷物預かり:チェックイン前後とも可(時間要確認)
対応言語:日本語・英語
ペット:不可
駐車場:なし(近隣にコインパーキング)

Photo: Akihiro Furuya

この記事の内容は2025年09月09日(公開時)の情報です