スクランブル交差点を見下ろす渋谷の老舗ミュージックバー
シーンの第一線で活躍するDJを従え2014年から営業を続けるDJバー。音楽好きの大人たちから定評があるのは、ベテランDJたちが日替わりでブースに立っているから。大人だけでなく、若い人にも夜の社交場で交友関係を広げてほしいという理由で、入場料は良心的に設定されています。いい音楽をいい音響で楽しみたい人におすすめです。
渋谷のスクランブル交差点を見下ろすビルの10階にある『DJ Bar Bridge Shibuya』は、渋谷を代表するDJバーです。クラブや飲食店などを複数運営するグローバルハーツは、渋谷にクラブを運営していたことから、ここ『DJ Bar Bridge Shibuya』は、2014年の開店当時、あまりポピュラーでなかったDJバーという形を選んだと言います。オープン当初から店長を務める有泉正明さんによると、DJとの信頼関係づくりや常連に愛される店づくりに注力してきたそう。
「お客さんのサードプレイスになることを目指してやってきました。それは、自宅でも職場でもない第3の居場所。いつ行っても、店のスタッフや常連さんに歓迎され、音楽を介した出会いや刺激があり、リラックスできる場所です。だから、人気のあるDJによる単発のパーティを企画することはせずに、曜日ごとにレジデントDJを決めました。それによって、Bridgeに行けば、いつでもいい音楽といつもの顔ぶれがあるというイメージが定着し、店とDJとお客さんの間に信頼関係を築けた。そんな店づくりが功を奏して、常連さんのコミュニティが出来上がっていますね。終電前に1杯だけお酒を楽しもうという方もたくさんいらっしゃっています。店がお客さんの生活の一部になれたら最高ですね」
2014年当時は今ほどポピュラーな存在でなかったDJバーですが、『DJ Bar Bridge Shibuya』の開店以降、渋谷区に1軒、また1軒と個性的なDJバーが増えていきました。それらDJバーとの大きな違いは、『DJ Bar Bridge Shibuya』のレジデントDJは、DJ NORI、EMMA、川辺ヒロシ、クボタタケシといった、現在もシーンの第一線で活躍するベテラン勢ばかりということ。
「遊びを知り尽くした大人たちが楽しめる店にしたかったので、音楽的に幅広い引き出しを持っているキャリアのあるDJをブッキングしてきました。オープン当初からずっとブースに立ち続けてる人も多いんですよ」
取材時、プレイしていたのは、古くから日本のハウスシーンを牽引してきたDJ EMMA。
そんな、自分のスタイルやファン層を確立している売れっ子DJたちに、店側が創業時からずっとお願いしてきたことがあります。
「それは、とにかくジャンルレスに、多種多様な音楽をかけてほしいということ。DJたちそれぞれのプレイスタイルはあるんですが、クラブと違って必ずしもDJを目当てに来るお客さんだけではないので、幅広いジャンルの音楽でお客さんを楽しませてほしいんです。そんな店の思いに、DJたちがそれぞれの解釈で応えてくれたことが、店の個性にもつながったと思います」
店内には、日毎にDJ名が記載されたスケジュール表が貼られている。
料金は平日が1,000円で、金曜、土曜は1,500円とリーズナブル。さらに、1店で入場料を支払えば、渋谷区と新宿区にある姉妹店を回遊できるという取り組みも好評で、同ビルにある『DJ Bar & Lounge WREP』、徒歩圏にある『ENTER SHIBUYA』、電車でひと駅の『DJ Bar Bridge Shinjuku』を回るだけでもたっぷりひと晩楽しめます。そこには、古くからクラブやバーを運営してきた会社ならではの哲学が込められていました。
「クラブやバーは、社会的地位や職業、年齢などに関係なく交流できる場所であってほしいし、昼間とは違う人脈が広がる場所。若い人が大人に混じって遊べるようにと思うと、あまり高い金額にはできないですよね」
2014年から渋谷の夜を見つめてきた『DJ Bar Bridge Shibuya』は、店とともに歳を重ねてきた常連も多く、落ち着いた客層。昨今は世相を反映し、訪日観光客も3割程度を締めるといいます。踊れて、語れて、チルアウトもできる『DJ Bar Bridge Shibuya』に、今宵もさまざまなバックグラウンドを持った音楽好きが集まります。
エントランスで入場料を支払うと、周辺の姉妹店と行き来自由になる。施設の入場料に差がある日は差額を支払えばOK。
店があるビル10階の階段からの景色。渋谷のスクランブル交差点を見下ろしながらチルアウトができる。
姉妹店と行き来自由になる回遊施策が大好評。渋谷の夜を満喫してください。
この記事の内容は2025年06月20日(公開時)の情報です