元祖「ハヤシライス」を味わえる老舗書店のカフェ

MARUZEN café

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150年以上の歴史を持つ老舗書店「丸善 日本橋店」。その3階にある『MARUZEN café』では、牛肉や玉ねぎをソースで煮込み、ご飯にかけて味わう日本生まれの洋食「ハヤシライス」が名物です。丸善の創業者・早矢仕有的が考案したという説にちなみ、店では「早矢仕ライス」の名で提供されています。日本の近代文学にゆかりのある「檸檬」をモチーフにしたデザートも味わえる、丸善ならではのカフェです。

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創業者が考案したと言われる「ハヤシライス」が名物

一般書籍のほか、学術書や洋書、高級文具まで幅広く扱う書店「丸善」。日本橋店は、丸善の1号店として1870年に開店し、150年以上の歴史を持ちます。その3階、洋書フロアの一角にあるのが『MARUZEN café』です。名物は、丸善の創業者・早矢仕有的が考案したといわれる「ハヤシライス」。ハヤシライスは、牛肉や玉ねぎをソースで煮込み、ご飯にかけて味わう日本生まれの洋食です。

早矢仕有的は、明治時代に西洋の知識や文化を日本へ伝えた実業家。西洋物品の輸入に携わっていたことから西洋料理にも親しみがあり、自宅を訪れた友人たちに、牛肉や野菜を煮込んで白米に添えて、今のハヤシライスに近い料理をふるまっていたといわれています。この料理がのちに「ハヤシライス」と呼ばれるようになったという説があり、『MARUZEN café』で提供されている「早矢仕ライス」も、早矢仕有的の名前に由来しています。

店の定番で、一番人気のメニュー「ポーク早矢仕ライス」。豚肉の旨みと野菜の甘みが溶け込んだ、コク深い味わいです。1,480円

『MARUZEN café』は書店の中にあるため、購入した本を読みながら過ごす人や、参考書を広げて勉強する学生の姿も見られます。書籍探しの途中で立ち寄ったり、気になる本を手にしながらひと息つけるのも、この場所ならではの楽しみ方です。

丸善の1号店として、1870年に開店した日本橋店は、150年以上の歴史を持ちます。

『MARUZEN café』は、2007年にオープン。昼時には行列ができるほどの人気店です。

店内にはテーブル席とカウンター席があります。なかでも店の奥にあるカウンター席は、窓の外を眺めながら過ごせる人気席です。

甘みとコクを楽しむ、多彩なハヤシライス

創業者ゆかりの味を、現代的なカフェメニューとして、楽しめるのが『MARUZEN café』のハヤシライスです。西洋の食文化を背景に、日本独自に発展した洋食のひとつで、海外の文化や知識を日本に紹介してきた丸善で味わえることも、この店ならではの魅力です。

現在提供されているハヤシライスは、デミグラスソースをベースに、肉やトマト、玉ねぎ、にんじんなどの野菜を加え、数時間煮込んでおり、肉と野菜のうまみがソースにとけこんでいます。さらに、果物やスパイスを煮詰めたフルーツチャツネを使うことで、コクと甘みのある、まろやかな味わいに仕上げています。

定番の「ポーク早矢仕ライス」に加え、よりコク深く、甘さを抑えた「ビーフプレミアム早矢仕ライス」や、オムライス仕立てのものや、カレーと組み合わせたメニューなども揃い、歴史あるひと皿をさまざまな形で味わえます。

牛肉と玉ねぎの旨みが溶け込んだ、よりコク深い味わいの「ビーフプレミアム早矢仕ライス」。1,680円

「ポーク早矢仕」とビーフカレーをオムライス仕立てで楽しめる「早矢仕とカレーの2色オムライス」。甘みのあるハヤシソースと、少し辛めのカレーのコントラストが楽しめます。1,820円

「プレミアム早矢仕オムライス」は、「ビーフプレミアム早矢仕」をオムライスの上にたっぷりかけた贅沢な一品。1,880円

小説「檸檬」にちなんだデザートも楽しめる

老舗書店『丸善』は、梶井基次郎の短編小説『檸檬』の作中に登場します。『檸檬』は、日本の教科書にも掲載されることのある、近代文学の名作のひとつです。当時の丸善は、洋書や海外の文化に触れられる場所として、知識人や学生たちが集まる文化的な拠点でもありました。『檸檬』の作中でも、丸善は洋書や画集が並ぶ、知的で洗練された書店として描かれています。

『MARUZEN café』では、作品名にもなっている“檸檬”にちなみ、レモンを使ったデザートを楽しめます。物語の世界に思いを馳せながら味わえる、丸善ならではのデザートです。『MARUZEN café』では、ハヤシライスや『檸檬』にちなんだデザートを通して、老舗書店『丸善』の歩みに触れられるのも、このカフェならではです。

「檸檬ケーキ」は、レモンのムースとゼリーを二層仕立てとした、さわやかな味わいのスイーツです。880円

梶井基次郎の短編小説『檸檬』には、主人公が京都にある丸善で、画集の上に檸檬を置き、それを爆弾に見立てる場面は、作品を象徴する印象的な場面のひとつです。

Photo: Shinpei Fukazawa

この記事の内容は2026年08月31日(公開時)の情報です