日常から離れた特別な空間で、出雲抹茶を体験できるコンセプトショップ

LAMBERT

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●当店は完全予約制となっております。 (ご予約はtable checkから) ●お席のご指定につきましては、ご要望に添えない場合もございますので、予めご了承ください。 ●お席の時間は1時間制となっておりますので、予めご了承くださいませ。 また、ご予約時間に遅れられた場合にも退店時刻は変わりませんので、ご注意くださいませ。 ●お一人様につき1フード・1ドリンク制となっております。(店内物販も可) ●過度な写真撮影はお控えください。他のお客様への配慮をお願い致します。 ●足元に段差が多いため、お子様のご入場はご遠慮いただいております。 ●大声でのお話はお控え下さい。 ●現金はお取り扱いできません。

新宿・百人町の住宅街にある『LAMBERT(ランバート)』は、築70年の数寄屋造りの日本家屋を再生した完全予約制の抹茶缶のコンセプトショップです。島根県・出雲産の有機抹茶に特化し、品種ごとの味の違いを体験できるのが特徴。庭や室内空間、提供のプロセスまでが一体となって設計されており、日本の伝統と現代の感性が響き合う空間で、五感を研ぎ澄ましながら抹茶の背景まで含めて味わうことができます。

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新宿の喧騒と隣り合う、百人町の住宅街という立地

 JR大久保駅から徒歩5分。多国籍な飲食店が並び、昼夜を問わず人の流れが続く新宿・大久保エリア。そのすぐ隣にありながら、驚くほど静かな環境が広がっているのが百人町の住宅街です。『LAMBERT』は、この喧騒と静寂が隣り合う境界に位置しています。店名に「光り輝く大地」という意味が込められたこの場所は、都市のノイズから完全に切り離された空間。出雲が育んだオーガニック抹茶やこだわりのコーヒーを、視覚や味覚など五感すべてを開放して深く味わうための特別な聖域として作られました。

「抹茶は心を落ち着けて丁寧に向き合うことで初めて、色や香りの繊細な違いを感じ取ることができるものです。だからこそ、駅前のにぎわいから少し離れた住宅街にあるこの環境こそが、理想的な場所だと思ってます」そう語るのはとオーナーの小林真由子さん。

住宅街の細い路地をゆっくりと進み、店へと向かうその数分間もまた、日常から心を切り替え、抹茶と静かに向き合うための大切な準備時間として機能しています。

喧騒から一歩足を踏み入れると現れる、新宿・百人町の住宅街。大久保エリアのすぐ隣とは思えないほど、穏やかで静謐な時間が流れている。

目印のサインボード。下部に『LAMBERT』の「LB」の文字と、空間の象徴である石造りの庭を掛け合わせてデザインされたロゴマークが配されている。

築70年の歳月を重ねた、瓦屋根を戴く重厚な薬医門構え。営業中もあえて門を閉ざしているのは、お客様にその門を一歩くぐられた瞬間から、日常を離れた特別な空間――まるで聖域に足を踏み入れたかのような感覚を味わっていただきたいというオーナーの想いからだそう。

厚な日本建築のエントランスに掛けられた暖簾。そこに施された洗練されたタイポグラフィが、伝統と現代の感性が交差するこの空間のコンセプトを体現している。

モダニズムとクラシカルが寄せ植えた植栽が広がるNEO日本庭園

 暖簾をくぐった先に広がるのは、この池で生まれたという小さな錦鯉が泳ぐ池と、造園・空間演出を手がける「Yard Works」天野慶さんが新たに再構築した庭園がある。もともとあった芸術、歴史ある建築や梅の木、長い年月を経て残る巨石がそのまま活かされています。そこに、日本には自生しないオーストラリア産のサボテンや多肉植物、現代的茶室を組み合わせることで、モダニズムを注入し、新たな景観がつくられています。往来の日本庭園の石庭は、砂や石を用いて景色を表すことが多いのに対し、この新たに出来上がった庭園は、起伏のある岩肌に植物が息づく、野生味のある自然風景として表現されているのが大きな違いです。
 
さらに、高い塀に囲まれた空間が外の音や視線を遮り、街の環境から距離を取る役割を果たしています。隣接するホテルの庭園からは、かすかに滝の音も。こうした音や植物の組み合わせによって場所の印象が切り替わり、新宿の中心にいることを忘れさせるような静けさが生まれています。

庭園越しに望む母屋の外観。年月を経て美しい緑青(ろくしょう)を纏った銅板葺きの庇(ひさし)や端正な三州瓦の屋根、さらに屋根に据えられた鬼瓦など、1950年代から残る日本建築の意匠が空間に深い歴史と重厚感を与えている。

「Yard Works」の造園によって再構築された伝統とモダンが融合する庭園。

庭の池には野生のサギが羽を休めに訪れることも。隣接するホテルの庭園からかすかに響く滝の音が、心地よい自然のBGMに。

池を優雅に泳ぐ色鮮やかな錦鯉。水面の揺らぎが静寂な空間に動きを与えている。

砂や石で見立ての景色を造る従来の日本庭園とは異なり、起伏のある岩肌に植物が息づく、より立体的で野性味のある自然風景を描き出している。

オーストラリア原産の多肉植物を大胆に配置。和の巨石と異国の植物が違和感なく溶け合い、伝統とモダンが交差する独特の景観を生み出している。

庭園に設けられた半個室の「カバナ」。現在は、アートピースとして空間に建築的なアクセントを添えている。

抹茶の道具をモチーフに、「Yard Works」の天野氏自らが提案し作った「茶器のアート」。庭そのものが、ひとつのインスタレーション空間のように機能している。

茶筅を用いたユニークなオブジェ。庭を散策する際の目を楽しませてくれる。

年月を経た石灯籠には、よく見ると急須の愛らしい意匠が。重厚で厳かな空気感の中に潜む、作り手の細やかな遊び心が光る。

数寄屋造りの日本家屋を活かした、抹茶のための室内空間

庭を抜けて店内に入ると、1950年代から残る2階建ての純和風邸宅を活かした空間が広がります。アートディレクションを担当したのは、オーナーの小林真由子さん。店舗の改修期間は毎日、大工さんと相談しながら進めていったそう。昔からあったものをなるべく壊さず、日本家屋が持つ梁や柱の構造を尊重しつつ、現代的なミニマルなデザインを組み合わせることで、抹茶と向き合うための場として再設計されているのが特徴です。

庭を眺めながら抹茶を味わえる店内では、外の景色も体験の一部として設計されています。この空間に温もりを加えているのが、木工作家・梅本敏明さんによるスツールです。合板や丸太の特性を活かしたフォルムは、既存の建物と現代的な要素の間をつなぐ役割を果たしています。

1950年代の純和風の邸宅を活かした室内。

広くとられた窓からは、モダニズムと日本の伝統が掛け合わされた景観がまるで一枚の絵画のように庭の景色を堪能できる。

ご予約のお客様に限り、庭にある丸い木製ベンチに腰掛けて抹茶を味わうことも。

陰影を感じることができる和室空間。低い位置に配された灯りが畳を柔らかく照らし、日常から切り離された深い没入感を与えてくれる。(※現在は閲覧のみ)

障子から漏れる光が、和のしつらえを美しく浮かび上がらせる。

「和敬清寂」の書が掛けられた床の間。季節のうつろいを伝える可憐な枝花とともに、日本の伝統美と茶の湯の精神が寄り添う。

木工作家・梅本敏明氏による家具。素材の質感を活かし、空間に自然な要素を加えている。

空間のアクセントとして存在感を放つ、イサム・ノグチの照明器具「AKARI」。

出雲の有機抹茶と品種の違いを味わう

『LAMBERT』で提供されるのは、古来より「ご縁の土地」として知られる島根県・出雲で、丁寧に育てられたオーガニック(有機)抹茶です。提供の際は、バリスタがその日の茶葉の状態に合わせて湯の温度を細かく調整しながら、目の前で一杯ずつ丁寧に仕上げていきます。

主軸となるのは、対照的な表情を持つ2つの品種です。出雲産の「やぶきた」は、香りが立ちやすく、口に含んだときに苦味と渋みがはっきりと感じられ、抹茶らしさをストレートに味わえる一杯。一方の「おくみどり」は、やぶきたよりも収穫時期が遅い晩成品種で、苦味が出にくく、旨味と甘みが前に出やすいのが特徴です。口当たりがやわらかく、後味に甘みが残るため、抹茶に慣れていない人でも飲みやすい味わいです。

島根県・出雲で有機栽培された茶葉。

カウンター越しに提供される抹茶。オーナーの鈴木啓太郎さんが一杯ごとに点てる工程も体験の一部として設計されている。

湯の温度を細かく調整しながら茶碗に注ぎ、最適な抽出を行う。

茶筅で手際よく点てる所作。静かな空間に響く音も抹茶を味わうプロセスとして楽しめる。

抹茶の「深み」をダイレクトに味わえる「アイス抹茶ラテ」(1,300円)。控えめにしたミルクと優しい甘さが、オーガニック茶葉の香りを極限まで引き立てている。

意外な組み合わせの「スイカ抹茶」(1,500円)。果実感あふれるスイカのナチュラルな甘みと出雲抹茶の鮮やかな渋みが交わる、ここでしか味わえない一杯。

濃厚な抹茶の香りをなめらかな口どけと共に味わう「抹茶アイス最中」(800円)。

出雲の豊かな大地が育んだオリジナル缶。右の「SPECIAL BLEND」(5,900円)は、出雲産オーガニック抹茶ならではの奥深い旨みと気品ある香りを絶妙なバランスで調和させたシグネチャーブレンド。左の「HOJICHA IZUMO」(3,700円)は、丁寧に焙煎された茶葉の豊かな香ばしさと、すっきりとした心地よい余韻が特徴。

Photo: Shiho Akiyama

この記事の内容は2026年05月20日(公開時)の情報です