日常から離れた特別な空間で、出雲抹茶を体験できるコンセプトショップ
新宿・百人町の住宅街にある『LAMBERT(ランバート)』は、築70年の数寄屋造りの日本家屋を再生した完全予約制の抹茶缶のコンセプトショップです。島根県・出雲産の有機抹茶に特化し、品種ごとの味の違いを体験できるのが特徴。庭や室内空間、提供のプロセスまでが一体となって設計されており、日本の伝統と現代の感性が響き合う空間で、五感を研ぎ澄ましながら抹茶の背景まで含めて味わうことができます。
JR大久保駅から徒歩5分。多国籍な飲食店が並び、昼夜を問わず人の流れが続く新宿・大久保エリア。そのすぐ隣にありながら、驚くほど静かな環境が広がっているのが百人町の住宅街です。『LAMBERT』は、この喧騒と静寂が隣り合う境界に位置しています。店名に「光り輝く大地」という意味が込められたこの場所は、都市のノイズから完全に切り離された空間。出雲が育んだオーガニック抹茶やこだわりのコーヒーを、視覚や味覚など五感すべてを開放して深く味わうための特別な聖域として作られました。
「抹茶は心を落ち着けて丁寧に向き合うことで初めて、色や香りの繊細な違いを感じ取ることができるものです。だからこそ、駅前のにぎわいから少し離れた住宅街にあるこの環境こそが、理想的な場所だと思ってます」そう語るのはとオーナーの小林真由子さん。
住宅街の細い路地をゆっくりと進み、店へと向かうその数分間もまた、日常から心を切り替え、抹茶と静かに向き合うための大切な準備時間として機能しています。
暖簾をくぐった先に広がるのは、この池で生まれたという小さな錦鯉が泳ぐ池と、造園・空間演出を手がける「Yard Works」天野慶さんが新たに再構築した庭園がある。もともとあった芸術、歴史ある建築や梅の木、長い年月を経て残る巨石がそのまま活かされています。そこに、日本には自生しないオーストラリア産のサボテンや多肉植物、現代的茶室を組み合わせることで、モダニズムを注入し、新たな景観がつくられています。往来の日本庭園の石庭は、砂や石を用いて景色を表すことが多いのに対し、この新たに出来上がった庭園は、起伏のある岩肌に植物が息づく、野生味のある自然風景として表現されているのが大きな違いです。
さらに、高い塀に囲まれた空間が外の音や視線を遮り、街の環境から距離を取る役割を果たしています。隣接するホテルの庭園からは、かすかに滝の音も。こうした音や植物の組み合わせによって場所の印象が切り替わり、新宿の中心にいることを忘れさせるような静けさが生まれています。
庭を抜けて店内に入ると、1950年代から残る2階建ての純和風邸宅を活かした空間が広がります。アートディレクションを担当したのは、オーナーの小林真由子さん。店舗の改修期間は毎日、大工さんと相談しながら進めていったそう。昔からあったものをなるべく壊さず、日本家屋が持つ梁や柱の構造を尊重しつつ、現代的なミニマルなデザインを組み合わせることで、抹茶と向き合うための場として再設計されているのが特徴です。
庭を眺めながら抹茶を味わえる店内では、外の景色も体験の一部として設計されています。この空間に温もりを加えているのが、木工作家・梅本敏明さんによるスツールです。合板や丸太の特性を活かしたフォルムは、既存の建物と現代的な要素の間をつなぐ役割を果たしています。
『LAMBERT』で提供されるのは、古来より「ご縁の土地」として知られる島根県・出雲で、丁寧に育てられたオーガニック(有機)抹茶です。提供の際は、バリスタがその日の茶葉の状態に合わせて湯の温度を細かく調整しながら、目の前で一杯ずつ丁寧に仕上げていきます。
主軸となるのは、対照的な表情を持つ2つの品種です。出雲産の「やぶきた」は、香りが立ちやすく、口に含んだときに苦味と渋みがはっきりと感じられ、抹茶らしさをストレートに味わえる一杯。一方の「おくみどり」は、やぶきたよりも収穫時期が遅い晩成品種で、苦味が出にくく、旨味と甘みが前に出やすいのが特徴です。口当たりがやわらかく、後味に甘みが残るため、抹茶に慣れていない人でも飲みやすい味わいです。
出雲の豊かな大地が育んだオリジナル缶。右の「SPECIAL BLEND」(5,900円)は、出雲産オーガニック抹茶ならではの奥深い旨みと気品ある香りを絶妙なバランスで調和させたシグネチャーブレンド。左の「HOJICHA IZUMO」(3,700円)は、丁寧に焙煎された茶葉の豊かな香ばしさと、すっきりとした心地よい余韻が特徴。
この記事の内容は2026年05月20日(公開時)の情報です
