USEDから業務用品まで、選りすぐりの長く使える品がそろう

D&DEPARTMENT TOKYO

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『D&DEPARTMENT TOKYO』は、主に日本で生まれたロングライフデザイン、いわば「長くつかえる優れたデザイン」を紹介するプロジェクト、D&DEPARTMENT PROJECTの拠点としてオープン。店内には、バイヤーが各地のリサイクルショップで発掘したものを中心に、学校や医療現場で使われていた業務用品、国内のセレクトアイテムたちが並びます。奥沢という都心から離れた場所にありながら、ここでしか出会えないアイテムを求めて国内外から訪れる人があとを絶ちません。

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生活になじんで長く使える日本のアイテムを紹介する拠点

2000年に誕生した 『D&DEPARTMENT TOKYO』は、デザイナーのナガオカケンメイ氏が創設した D&DEPARTMENT PROJECT(以下、D&D)の発信拠点の第一号としてオープンしました。D&Dとは、日本各地にある「息の長い、その土地らしいロングライフデザイン」を発掘し、物販・飲食・出版・観光事業を通してその地域らしさを紹介するプロジェクト。
 
「ロングライフデザイン」とは意匠を指すのではなく、「長く作られ、使われ続けている普遍的なものこそ、いいデザインである」という考え。こちらではそのもとで、ナガオカ氏やバイヤーが各地のリサイクルショップで発掘したものを中心に、学校や医療現場で使われていた業務用品、各地域で長くつくられてきた親しみのある道具をそろえています。

最寄りの九品仏駅からは徒歩8分と、けっして都心からアクセスがいい立地ではありませんが「D&Dに共感した人に集まってほしい」という思いから、あえてこの場所を選んだそう。一号店であるTOKYOは原点の場所として、ユーズドアイテムを中心に全国各地のアイテムをバランスよくとりそろえたそう。

『D&DEPARTMENT』はいわば、D&Dから生まれたストアスタイルの活動体。現在はTOKYOのほか富山、京都に直営店があり、パートナー店を含めると国内外に計14店舗を展開しています。

メーカーと協力したり、ユーズドアイテムからインスピレーションを受けたオリジナルアイテムも展開。

業務用品に関しては、日本の病院や学校でよく見かけるアイテムもちらほら。どのアイテムからも、デザインのシンプルさや素材の強度など業務用品だからこその魅力を感じられます。

キッチン雑貨や食料品は、国内メイドのものが中心。広島県・宮島の名産であるしゃもじや、富山市で循環型農業を実践する「土遊野(どゆうの)」と開発したオリジナルレシピのスコーンミックスなど、全国から選りすぐったアイテムも多数。

インテリアも充実。なかでも椅子のラインナップは幅広く、日本で長らく愛されているカリモクの Kチェアをはじめ、廃校になった学校から引き取った椅子といった昔懐かしいユーズドまで、さまざまにそろいます。

アパレルやアクセサリーも。生地見本を再利用したオリジナルのトートバッグや、建築現場などで使われている強度の高い和紙を使用したロゴ入りのマスキングテープなど、こだわりのオリジナルアイテムも多数。

各商品のポップの背景色は、青は東京セレクト、グレーは海外製、白は国内の他県という振り分け。価格だけでなく、アイテムが生まれた年数と産地も表示し、一目で分かるよう工夫されています。アイテム一つひとつに敬意を表して、毎回専用のPOPを作っているとか。

創業者がリサイクルショップからはじめた理由

 D&DEPARTMENT PROJECTがはじまったのは1998年ごろ。発足者のナガオカ氏が、「ものがあふれている時代だからこそ、新しいデザインを生むのではなく、すでに世の中にあるいいデザインを集めてみよう」と、リユース品を販売するショップとして歩みをはじめ、徐々に扱うアイテムや活動の幅を広げて現在に至ります。
 
発足当時は大量生産、大量消費の時代。リサイクルショップにものがあふれているのを目にしたナガオカ氏が「デザイナーの役割ってなんだろう」という疑問を持ち「既存の“いいデザイン”を発掘し、その価値を見出して紹介しよう」という発想に至ったとか。そんな背景から、アイテムをセレクトするにあたっては「直しながら長く使いつづけられるロングライフデザイン」であることを基準としています。

廃校になった学校から引き取った椅子は、部屋のディスプレイや棚としても。年季が入っていますが、まだまだ使えます。

ユーズド品は、リペアして販売することも。こちらはリサイクルショップで発掘した飲料品のノベルティグラスに「Recycling can't be done without your effort.(あなたの努力なしではリサイクルできません)」というメッセージを添えてリペアしたもの。

医療用のジャーを小物入れとしてレイアウトするなど、使いかたも提案しながら販売しています。

生活と縁がなさそうな業務用のアイテムも、「使いかた次第で生活になじみ、かつ、日常を彩る」という発想で、D&Dでは「〜のようなもの」と呼んでいます。特定の職人やデザイナーがいない業務用品もロングライフデザインとしているのは、流行に左右されることなくデザインが変わらないというのも大きな理由。病院や施設に卸すことを目的につくられているものは廃盤やモデルチェンジが少なく、パーツ交換などのメンテナンスがしやすい土壌が整っているというメリットもあるのです。

旗艦店のTOKYOで手にしたいアイテムたち

現在『D&DEPARTMENT』は、東京、富山、京都の直営店を含めて国内外に計14店舗を展開。このほかにも活動に賛同する店舗などとパートナーシップを組み、47都道府県に1か所ずつ活動拠点を設けています。店舗によってアイテム構成は異なり、地方にある店舗では地元の職人による伝統品をはじめ、地域と密接なロングライフデザインも多く扱っているそう。TOKYOでは原点であるユーズドアイテムを中心に、東京生まれの企業によるアイテム、メーカーと協力したりユーズドアイテムからインスピレーションを受けたオリジナルアイテムも。数あるなかから、TOKYOらしいアイテムと定番をピックアップしました。

【Long Life Plastic Project 2025のプラスチックマグカップ 】

 D&Dによるプラスチックのロングライフデザインを考えるプロジェクトから誕生した一品。昨今の環境問題を受け「プラスチックも経年変化を楽しみながら一生ものとして使える素材」という提案が込められており、表面には「Plastic Products can be lifelong companions if you care for them.(プラスチック製品であっても、一生モノになり得ます。あなたが大切にすればね。)」というメッセージが。

2021年にプロジェクトが立ち上がって以来、2年に一度異なるカラーを展開。写真は2025年に出た4カラー。/5,000円

表面に、エンボスでメッセージが刻印されています。カラーは2025年に出たウォッシュドブルー。

【HARIO Lampwork Factoryのピアス(別注モデル)】

1921年に東京・神田で創業した老舗のガラス器具メーカー・HARIOによるHARIO Lampwork Factoryのアクセサリーも。こちらは年々少なくなってきたガラス職人の技術を継承するべく、2015年に設立されたブランド。D&DEPATMENTのために製作されたピアスは、本来ザラメのような質感のフロストガラスでつくられている定番モデルをクリアガラスで仕立てたオリジナルです。
 

HARIO Lampwork Factoryの工房で、ガラス職人が一つ一つ手作りするピアス。Lampwork Factory ピアス・カプセルの別注モデル。/9,130円。

【業務用ランドリーネット】

ホテル用品の専門メーカーが開発したランドリーネットをホームユース仕様にアレンジした一品。一般的なものよりも太いポリエステルでつくられているため、厚みがあって頑丈だと評判です。

4色をそろえる、業務用ランドリーネット。サイズはS(42×30)とM(42×65)があります。/S・2,090円、M・2,640円

旅行の際に衣類を収納してパッキングし、帰宅後はそのまま洗濯機へ、といった使いかたもあり。

生地がしっかりしているため、スタッフのなかにはペットボトル入れとして愛用している人もいるとか。

【医療用ガラス万能壺】

医療現場でガーゼ入れなどに使われている瓶も、小物や調味料を入れたり、ペン立てにしたりと、使いかたいろいろな万能アイテムです。指一本でパカっと開けられるため、出し入れするときに衛生面が気にならないのも特徴。

生活のさまざまなシーンに馴染んでくれる、シンプルな医療用ガラス万能壺。カラーはクリア(右)とアンバー(左)の2種で、写真の250ccは綿棒がぴったり収まる高さ。このほか500ccサイズも展開しています。/250cc・4,180円、500cc・6,380円。

厚みがあって割れにくい。

 【syuroの丸缶】

東京都江戸川区で、長年お茶缶を製作している町工場のブリキ缶。日本ではよく見かける和紙のかかったお茶缶を、職人技が感じられるようあえてそのままの姿で紹介しています。1枚の板を職人が一つ一つ加工してつくっており、ぴっちり密閉できる使用感は、その繊細な技術があってこそ。経年変化によってサビが出たりマットな質感に変化するなど、使うほどに味わいが出てくる楽しみも。

コーヒー豆などの乾物入れとしてはもちろん、小さいサイズは針山をはめこんで裁縫道具入れにも使えます。/SS 2,530円、細長2,640円。

職人技が感じられる、ぐっと丸められたフチ。これによって強度が出ているそう。

【サンボックス】

普段は商品輸送に使われている業務用のサンボックスは、単品はもちろんスタッキングも可能。「つくらないでつくる」をコンセプトに立ち上がったプロジェクトSampling Furnitureでは、変わらないデザインのサンボックスにフレームを組み合わせてプランター台として使うなど、暮らしに取り入れるアイデアを幅広く提案をしています。

スタッキングできるプラスチック製のサンボックスは、軽くて丈夫。サイズはW340を基本とし、半分のW170ハーフ、1/4サイズのW170ミニが。/ W170ミニ1,100円〜。

サンボックスがぴったりハマるフレーム、Sampling Furniture Container サンボックス02合わせれば、プランターやブックシェルフにも変身。既存の製品を組み合わせるだけで自分らしいアイテムが完成し、形を変えながら使い続けられる環境に優しいアイテムです。/15,950円。

【d RUG LIFESTOCK】

上質なウール生地を使用したラグマットは、テキスタイルメーカーなどで保管されているデッドストックを掘り出し、“生きた在庫”として再利用する「LIFESTOCK」プロジェクトによってつくられました。愛知県と岐阜県に広がる毛織物の名産地、尾州産地にあるメーカーの倉庫で眠っていた生地見本を再利用したオリジナルです。

カットした生地を手作業で重ねているため、すべて一点もの。/140×50cm 16,500円、140×100cm33,000円。

好みの形やサイズにカットして、花瓶置きなどにアレンジすることもできます。

【カリモク60のKチェア】

『カリモク家具』は、1940年に愛知県で木工所として創業し、木部品や輸出家具の製造からはじまったメーカーです。1962年に国産家具の生産をスタートした際に、初の自社製品として誕生したのがKチェア。当時は日本の旅館や病院など、法人向けに生産されいましたが、2002年に企業の原点商品の復刻・リブランディングを行なったプロジェクト「60vision」に賛同し、一般向けの販売がスタートしました。

組み立て式のカリモク60 Kチェア 2シーター・スタンダードブラックは、背もたれや座面、肘掛けをパーツごとに購入して取り替えも可能。1シーターも人気です。全8色のうち、D&D限定でグランブルーも。/87,450円。

【株式会社 藤栄のニーチェアエックス】

座り心地と手軽さを追求し、1970年に完成したニーチェアエックス。デザインした新居 猛(にいたけし)氏は、もともと剣道具の製造を手がけていましたが、GHQによる製造中止命令から家具の世界へ。そんな同氏が、剣道具製造で培ったノウハウが詰まった折りたたみチェアです。体がすっぽり収まるハンモックのような座り心地で、生地を交換しながらずっと使いつづけられるのが魅力。現在は株式会社 『藤栄』によって生産販売が行われています。

キャメルやブルーなどの全5色のシートと、ナチュラルかダークブラウンのアームとの組み合わせが選べます(写真はホワイト×ナチュラル)。このほか、シートはD&Dオリジナルカラーのヴィンテージイエローも。/59,400円。

折り畳めるようにすることで配送コストを抑え、よりたくさんの人に届けたいという思いからこの形に。いまでは海外からもたびたび問い合わせがあるアイテムです。

デザインした新居さんは、徳島県の剣道具製造業の三代目として誕生。「座り心地を落とさず、とにかく安く、道具のように役に立ってこそ椅子」という信念のもと、多くの人に愛される“カレーライスのような椅子づくり”を目指したそう。

【LUFTのLAUAN SHELVES】

デザイン事務所『LUFT』が手がけた箱型収納。もとは『LUFT』の事務所の備品として使われていたもので、ナガオカ氏の目にとまりオリジナル化。使用されているラワン材は、色合いや木目などの個体差があるため、大手の家具メーカーでは使われることがほとんどありません。D&Dではそんな素材の個性も楽しみとして捉えました。留め具が外側からは見えないようにつくられているので、好きに組み合わせて棚としても、部屋の間仕切りにも。

ボックスと引き出しタイプがあり、カラーはグレー、ホワイト、ナチュラルの3種。/2列36,300円〜。

化粧板を使用していないナチュラル。クリアワックス仕上げ。

【タイガーエンブ ラゲージタグ】

沖縄県にある刺繍パッチメーカー『タイガーエンブ』とコラボしたここオリジナルのラゲージタグは、各店舗でオリジナルカラーを展開。TOKYOは3カラーの展開で、お土産としても人気です。

バッグやスーツケースのアクセントとして。/各2,500円。

いいデザインを循環させるべく買い取りも実施

『 D&DEPARTMENT』では、販売したアイテムの買い取りも行っています(消耗品をのぞく)。買い取ったものはリペアやカスタムをほどこし、ユーズドアイテムとして再びお店へ。買い取りの対象はおもにユーズドアイテムを含む家具や雑貨(要問い合わせ)で、さらに D&DEPARTMENTで購入したアイテム以外でも、ロングライフデザインと考えられるものは買い取っているそう。ロングライフデザインを届けて終わりではなく、循環させて守るというのも、D&Dにおける活動の一つです。

たんに買い物をするだけではなく、スタッフのみなさんからアイテムが生まれた背景や、使いかたのアイデアを聞くこともできます。

ユーズドアイテムに関してはさまざまに入れ替わるので、通う楽しみも。

Photo: Keiko Ichihara / Text: Wako Kanashiro

この記事の内容は2026年03月12日(公開時)の情報です