2026.04.10
書くことが楽しくなる蔵前の筆記用具店
『カキモリ』はものづくりの町・蔵前にあるこだわりの文具店です。オリジナルの商品や、オーダーメイドのノートとインクの販売などで人気を博し、遠方からも多くの客が訪れています。店内には「たのしく、書く人。」というコンセプトのもと、書くことそのものが楽しくなるさまざまな文具を取り揃え、オリジナル商品にも力を入れています。
店のある蔵前は、クリエイティブなセレクトショップや専門店、おしゃれなカフェなどが増え、東京でも感度の高い人気の街になっていますが、『カキモリ』が出店した2010年ごろまでは一般客向けの店はほとんどありませんでした。店主の広瀬琢磨さんが当時を振り返ります。
「店の営業を始めた2010年当時の蔵前は、ほかに買い物客や観光客が行くような店があまりなかったので、回遊客がいませんでした。一般的には店を開くのには不利な立地かもしれませんが、私はあまり気にしませんでした。むしろ、店のオリジナル商品をつくりたいと思っていたので、きめ細かな相談ができる確かな技術をもった職人や、マニアックな要望に答えてくれる問屋が近くにあることがとても魅力的でした。ものづくりを支える職人の技術や事業の継承に少しでも貢献したいという思いで、新商品の開発には継続的に取り組んできました」
こうして『カキモリ』はものづくりを支える職人に敬意を払いながら、書くことの楽しさを発信し続けています。
自動車整備工場だったという天井が非常に高い物件を、建築家やアートディレクターと相談しながら洗練された店舗に改装。開店と同時に、欧米からの訪日観光客や、日本国内の修学旅行生などで、早い時間からごった返していた。
店主の広瀬さん。群馬県で、祖父の代から業者向けの文具事務用品店を営んできた。事業を継承し、次世代に向けた業態に挑戦したのが、ここ『カキモリ』だ。
カキモリ周辺の観光地やお店をまとめた地図は店を訪れた人ならだれでももらえる。蔵前観光に活用できると好評だ。
店内には「たのしく、書く人。」というコンセプトのもと、書くことそのものが楽しくなるさまざまな文具が揃います。そのコンセプトの象徴ともいえるのが、自分好みの部材を組み合わせてつくれるリングノートです。表紙、中紙、リング、留め具、オプション……とパーツごとに豊富なバリエーションが揃い、自由に組み合わせて製本できます。その日のうちに完成品を受け取れますが、多いときは一日に100冊もの注文が入るほどの人気。特に混み合う土日祝日は、事前予約制になっています。さらには、中紙を使い切ったノートを持ってくれば、新たな中紙に交換ができるので、リピーターも多いとか。
ノートの仕上がりが想像しやすいよう、組み合わせ見本が店内に複数置かれている。布貼りの表紙にペン指しがついたスナップボタン式の留め具(左)、柄物の表紙にスナップボタンの留め具(左中)、革の表紙と革の玉紐の留め具(右中)、リングの綴じ位置を短辺にした横型のノートにゴムの留め具(右)など、組み合わせは無限。価格帯は選ぶパーツ次第だが1冊3,000円〜6,000円ほど。
店での人気商品のひとつにつけペンがあります。ペン先をボトルインクにつけて補充しながら書くペンです。インクで書いた線や文字は、ペンを走らせる速度やインク補充のタイミング、線の交差や留めなどによって濃淡がゆらぎ、ボールペンで書いた均一な線とは違った趣が生まれます。
こうしたボトルインクによる筆記を楽しみたい人におすすめなのが、オーダーメイドでインクの色を調合できるサービスです。店の2階が専用コーナーになっていて、じっくり時間をかけて好みの色をつくり出せます。
少量の容器の中で理想の色をつくったら、スタッフが量を増やして瓶詰めした完成品をつくってくれます。つくったインクにはシリアル番号が付与され、3年以内ならシリアル番号の提示で同じ色を注文できます。こうして、カキモリは店を訪れる「たのしく、書く人。」たちに、さらなる楽しみを提供しています。
幅広く取り揃えた既製品もまた、文具好きをうならせる面白いものがたくさん。ボールペンやシャープペン、鉛筆といった日常使いの筆記用具に加えて、贈り物にしたい特別なもの、自分へのご褒美に買いたいちょっぴり高級な品もあります。身近なものや初めて目にするものなど、バラエティに富んだ品揃えのなかから、興味を惹かれるものがあればスタッフに質問したり、試し書きをしながら選べます。
この記事の内容は2026年04月10日(公開時)の情報です




