渋谷レコードカルチャーの発信拠点でもある老舗
渋谷のレコードショップは、1990年代から2000年代初頭にかけて盛り上がり、世界中のミュージックラバーから注目を集め、独自に進化していきました。中でも渋谷パルコからも近い宇田川町周辺は、人気レコードショップが軒を連ねる屈指のレコードショップエリアでした。 『Manhattan Records』は、その宇田川町エリアの老舗レコードショップとして、今なお若者を中心に支持を得ています。ブルーの「m」がアイコンの同店は、今年でオープン45周年という節目を迎えており、レコードに限らず、ファッションやアートといった渋谷カルチャーを発信しています。
1980年にオープンした『Manhattan Records』の始まりは、渋谷警察署の裏にあるマンションの一室からでした。その後、1993年頃に今の場所に移り、独自のセレクトで渋谷の音楽カルチャーを支えながらアーティストやお客さんの交流地としても機能。さらに2025の2月にはレコードの世界的なブームもあり、韓国はソウルにも店舗をオープンさせています。渋谷店の1階は新譜・新品のヒップホップ中心のレコードに加えアパレルグッズや雑貨などを取り扱い、2階ではユーズドのレコードを豊富にセレクト。またショップの壁には巨大なウォールアートが描かれており、この作品を目当てに来店される人もいるそう。
グラフィティーアーティストのTABOO1、TENGA one、MARK BODEの共作で描かれたウォールアート。ビルの側面全面が埋め尽くされており、その存在感は圧倒されます。
日本のヒップホップの聖地でもある渋谷を盛り上げてきた『Manhattan Records』で取り扱われているレコードは、もちろんヒップホップが中心。ただし今やサブスクの台頭もあり、時代を超えて音楽が楽しめるようになった時代ということで、同店では現代ならではのヒップホップクラシックとも呼べる音楽を常にアップデートして発信しています。またさらに海外のお客さんに向けて、シティポップやサンプリングソースとして使われている日本の音楽も紹介しているのも特徴です。中古レコードの買取も行っているので、レコードが家に眠っているという方は持ち込んでみてはいかがでしょう。
そして『Manhattan Records』といえば、「m」のアイコンなのですが、そのロゴを使ったオリジナル雑貨も人気です。Tシャツをはじめ、キャップやクッション、インセンスなど、さまざまなアイテムに落とし込まれています。またアーティストやお客さんの“ハブ”にもなっているので、アーティストやファッションブランドをゲストに招いたコラボレーショングッズも豊富で、不定期ですがポップアップイベントも積極的に開催されていて見逃せません。2025年7月にはスチャダラパーのANIがデザインを手がけるブランド「SAMUEL」とのコラボレーションがリリースされ、話題を集めました。
ショップをデザインモチーフにしたオリジナルTシャツも人気。左から、3,520円、4,400円、4,950円
海外のお客さんにも向けてサンプリングソースとしても使われている日本のレコードをセレクト。宇多田ヒカルや杏里など、幅広い。
8月15日(金)から17日(日)まで、独自のスタイルで描き続けるバンクーバーを拠点に活動するアーティスト、GANGSTER DOODLESのポップアップが開催され、8月29日(金)には、ラップグループBLAHMRYに所属するラッパー、MILES WORDのインストアライブが行われるので、この機会をお見逃しなく。
この記事の内容は2025年08月10日(公開時)の情報です