世界でも珍しい12インチシングル専門のレコード店
レコードの聖地・渋谷の宇田川町にある『ネクストレコード』。DJカルチャーから生まれた、12インチシングルを専門に取り扱うニッチな中古レコードショップです。びっしりとレコードが並ぶ店内には、世界中でもほとんど出回っていないディスコミュージックの幻の名盤たちが眠っており、国内外から音楽ファンが集まる名店です。
『ネクストレコード』は、かつて“世界一のレコード街”と称された渋谷・宇田川町のシスコ坂に店を構えています。オープンは、渋谷が空前のDJブームに沸いた2000年。オリジナル盤の12インチシングルのみを取り扱うという、世界的にも珍しいスタイルを貫くこの店は、世界中のコアな音楽ファンから注目される存在です。ひとたび店の扉を開ければ、ディスコ、ヒップホップ、R&Bなどのダンス系ミュージックを中心に、店頭に並ぶ約5,000枚、在庫を含めた1万枚以上ものレコードが出迎えてくれます。
かつてこのエリアにあった老舗レコードショップ『CISCO』から名づけられた「シスコ坂」の真ん中に店を構える。階段を上がった先にある、黄色い看板が目印。
こぢんまりとした店内に、ぎっしりとレコードが並んでいる。
12インチシングルは、1970年代のディスコブームで登場しました。12インチ(30cm)というLP(アルバム)と同じサイズながら、収録曲数を1〜2曲に絞ることで音溝に余裕が生まれ、高音質で再生できるアナログレコードです。
店主の今本恒治さんは「12インチシングルはクラブやダンスフロアでかけられることが前提なので、ベースやドラムが強く出るなど、迫力のあるサウンドが楽しめます。また、エクステンデッドバージョンといって通常よりも長尺のバージョンが入っているので、音の展開が豊富。知っている曲でもアルバムとは違う雰囲気で楽しめます」と魅力を語ります。
今本さんは12インチシングルならではのダイナミックなサウンドと、お気に入りの曲の新たな一面を知れるところに魅了され、専門店としてその魅力を発信し続けています。
壁の棚には店を象徴するニッチなラインナップが並ぶ。
この店では、レコードショップとしては早い時期から通販を始めるなど、常に新しい挑戦を続けています。2024年からは、スマホで商品札にある試聴用QRコードを読み取るだけで簡単に試聴できる「スマホ試聴」を導入。曲を聴いてみたい時に、毎回店員に尋ねる必要がないため海外のお客さんにも好評です。また、店内のプレーヤーでは、お客さんの様子をさりげなく観察して興味がありそうなレコードをさっとかけてくれることも。さりげなく散りばめられたこうしたサービスが、好きな音楽の範囲を広げてくれるきっかけになっています。
気さくな人柄が魅力的な店主の今本さん。お客さんと音楽トークで盛り上がることも。
12インチシングルがDJカルチャーにルーツを持つことから、店内に並ぶレコードの約半数は、80〜90年代に流行したディスコミュージック。海外から訪れるお客さんが、自国では入手困難なレア盤を見つけて驚くことも少なくありません。貴重なチャンスだからと、まとめて箱買いしていく人も数多くいるのだとか。すでに初回プレスが売り切れてしまっていることが多い12インチシングルですが、ここでは好きなアーティストの“知らなかった名盤”に出合える可能性があります。毎週金曜の夕方頃には、約250枚の新しいレコードが追加されるので、掘り出し物を狙うならこのタイミングがおすすめです。
この記事の内容は2025年08月04日(公開時)の情報です



