人気セレクトショップが推す「ジャパンブランド」の名品たち

ブランドを横断し、そのお店独自のキュレーションで仕入れた商品によって構成される「セレクトショップ」。日本で人気のある「セレクトショップ」は、国外のブランドはもちろんのこと、品質とデザインにこだわった「ジャパンブランド」のセレクトにも力を入れています。また、ブランドとの“別注”や“コラボ”を重ねながら、顧客のニーズに寄り添った“ちょっとした変化”を提案しているのも、日本のセレクトショップがもつ美学のひとつです。

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日本のセレクトショップは、感性と実用性が交差する場所

セレクトショップとは、ブランドを横断し、そのお店独自のキュレーションで仕入れた商品によって構成された店舗のこと。アパレルはもちろん、コスメやインテリア、書籍、雑貨など、ジャンルを横断した多様な商品を一つの空間で楽しめるのが大きな特徴です。東京には、日本のセレクトショップの旗艦店、大型店が集結しています。人気のあるセレクトショップでは、国外のブランドはもちろんのこと、品質とデザインにこだわった「ジャパンブランド」のセレクトにも注力していて、今もっともHOTな日本ブランドを知り、手に取るには絶好の場となっているのです。

さらに、ブランドとのコラボレーションや別注アイテムが多いのも日本のセレクトショップの特徴。デザインやモデルをゼロから共同で手がけ、両者の個性が融合したユニークなプロダクトを生むのが「コラボレーション」、既存アイテムに色や素材、サイズ感などそのショップらしい微調整を加え“カスタム”するのが「別注」です。日本では日常着としての実用性を重視する傾向にあるため、ベースとなるブランドへの敬意を大切にしながら、顧客のニーズに応え、ちょっとした変化を提案するというのが、日本のセレクトショップならではのアプローチと言えます。

「BEAMS」第一号店の跡地で今も続く、「BEAMS HARAJUKU」。

新宿ルミネ2のテナント内に入っている「URBAN RESERCH 新宿ルミネ店」。

虎ノ門ヒルズ ステーションタワー内にある「SELECT by BAYCREW’S」。

中目黒にひっそりと佇む「1LDK」(Photo / wacci)

『ビームス 原宿』はアメカジを軸にしたカルチャーの発信地

1976年に原宿で誕生した『BEAMS』はアパレル、音楽やアート、雑貨までを取り込んだライフスタイル提案型ショップとして、日本のファッションカルチャーの形成に大きな影響を与えたセレクトショップ。第1号店の跡地にある『ビームス 原宿』はメンズカジュアルの旗艦店で、アメカジをベースにしながら、ワーク、スポーツ、ストリートといった要素を取り入れた、国内外の最新アイテムをセレクトしています。

別注NEEDLES FOOTBALL T-SHIRT

パープル、ブラックの2色展開。ブラックには、『BEAMS』の創業年「76」の数字を配しています。別注NEEDLES FOOTBALL T-SHIRT 20,900円

パピヨンのロゴがトレードマークの「ニードルズ(NEEDLES)」は、1988年に創立したセレクトショップ「ネペンテス」の創立者である清水慶三氏が立ち上げたファッションブランド。バイイングで世界中を巡っていた清水氏が培った、感度や知見をベースに、アメリカンヴィンテージやサルトリアルな要素を独自に解釈し、再構築したアイテムを展開しています。そんな「ニードルズ(NEEDLES)」とBEAMSの別注フットボールTシャツは、ナイロンサテンの光沢感が美しい1枚。通気性に優れたメッシュボディに、立体ワッペンの刺繍など、細部までこだわったデザインが魅力です。

別注 ROTOL MASK VEST &TORNADO SHORTS

ウォッシュ加工により、新品でありながら着古したような見た目を実現。別注 ROTOL MASK VEST 60,500円、TORNADO SHORTS 53,900円

『ROTOL』は「現代の日常生活における戦闘服」をコンセプトに、2016年にスタート。ミリタリーやワークウェアの伝統技術に、現代的な素材やパターン設計を掛け合わせ、現代に必要とされる機能とユニークなデザインを両立させた服作りを得意としています。耐久性の高いキャンバス素材のワークベストにはマスクつきのフードをドッキングし、ショーツではジップ内の素材をワッフル素材に変更。一点一点職人によるハンドシェービングとバイオウォッシュで仕上げているので、独特の風合いが楽しめます。

別注『SUN SURF』 クレイジー アロハシャツ

カラーはオフホワイト、ネイビー、ブラックの3色。別注 SUN SURF クレイジー アロハシャツ 各19,800円

『SUN SURF』は、日本が世界に誇るアロハシャツブランド。数千着にも及ぶヴィンテージのアロハシャツを分析し、最大の特徴である鮮やかな発色と深みのある色合いを表現するため、抜染(ばっせん)やオーバープリントといった当時の捺染手法を再現しています。別注アイテムでは、ヴィンテージアロハシャツの生地を当時の技法にならって忠実に復刻。デザインの異なる4種類の生地を、同系色の配色で組み合わせています。タグには富士山や浅草・雷門にある赤い提灯など日本のモチーフが描かれているのも隠れたポイント。

『URBAN RESEARCH ルミネ新宿店』は都会的で洗練されたセレクトブランドが豊富

大阪発の『URBAN RESEARCH』は、都会的で洗練された感性を大切にする大人のためのセレクトショップ。中でも新宿駅直結の『URBAN RESEARCHルミネ新宿店』は、国内外の仕入れブランドを多く取り扱う都内の旗艦店です。『Hender Scheme』『DAIWA PIER39』などの日本ブランドから、『Margiela』『MARNI』などのハイブランドまで、男女問わず楽しめるセレクトが揃い、別注品も豊富です。

別注 「ROUTINE」クロシェシャツ

晩夏まで着られるこっくりとしたカラー展開。別注 ROUTINE×URBAN RESEARCH クロシェシャツ 各24,200円

古くより豊かな水源で恵まれた繊維の街であり、国内トップクラスのニット産地・新潟県五泉市。そこにあるニットの一貫工場から生まれたのが、ニットブランドの『ROUTINE』。糸の編み立てから、洗い、整理加工、プレスなど、製造のすべてを一貫してひとつの工場内でおこなった上質なニットを展開しています。別注したニットシャツは、トレンドのクロシェ編みがポイントになる一着で、透け感のあるデザインが涼しげな印象です。着丈を短めに設定し、さまざまなボトムスとバランスを取りやすくしています。

別注 「onit」ベアトップオールインワン

綿100%でやわらかく、心地の良い肌触り。別注 onit×URBAN RESEARCH ベアトップオールインワン 17,600円

『onit』は「つい手に取りたくなる、洗練された日常着」をコンセプトに、スタイリスト・高木千智氏がディレクションを手掛けるブランド。毎日着て欲しいという想いから、肌あたりや着心地には特に力を注いでいて、気取っていないのにハイセンス、そして毎日でも着たくなるような心地よさを感じられる服を提案しています。これは『onit』で初期の人気アイテムであったベアトップを、ヒップ周りのサイズを削り、よりすっきりとしたワイドストレートシルエットに変更した別注品。ベアトップデザインで、さまざまなインナーとのレイヤードが楽しめます。

MADE IN JAPAN キュプラフィブリルロングスカート

湿気の多い夏に嬉しい、さらっとした着心地のキュプラ素材。URBAN RESEARCH MADE IN JAPAN キュプラフィブリルロングスカート 14,300円

『URBAN RESEARCH』は、オリジナルアイテムにもファンが多いブランド。日常に取り入れやすいシンプルなデザインかつ上質な着心地、また冬は暖かく、夏は涼しいという独自素材「UR TECH」を使ったインナーウェアなど、見た目も機能も優れたアイテムが豊富です。その中でも「メイド・イン・ジャパン」で製作したオリジナルの定番スカートは、バイアスカットの立体的な美しいシルエットが特徴で、さらっとしたキュプラ素材なのでシーズンレスに使えます。

『SELECT by BAYCREW’S』は虎ノ門から衣食住を提案する大型ショップ

『SELECT by BAYCREW’S』は、『JOURNAL STANDARD』や『Deuxieme Classe』などを手がけるBAYCREW’Sが虎ノ門ヒルズ ステーションタワーに構えた大型セレクトショップ。2フロアにわたる約800坪の空間には、ファッション・フード・ライフスタイル・アートなどが集結。都市の新しい中心として進化する虎ノ門エリアにふさわしいスケールと感度を持ち、ファッションを超えた体験型のショップとして注目を集めています。

MIZUNO MXR OG

販売は、『ミズノ』直営店、『mita sneakers』、『Spick & Span』、『Herringbone Footwear』のみの展開となる限定モデル。MIZUNO MXR OG 12,100円

『ミズノ」は1906年に大阪で創業された日本を代表する総合スポーツ用品メーカー。野球用具の製造を皮切りに、スキー、ゴルフ、陸上、競泳など、多くの競技分野で革新的な製品を展開。オリンピックをはじめ国際舞台でも数々の競技を支えています。別注のスニーカーは、『ミズノ』の膨大なアーカイブより掘り起こされた復刻品。網目の大きなメッシュとシルバー基調の人工皮革のオーバーレイを組み合わせ、国内限定カラーとなるくすみグリーンの差し色を効かせた1足です。

BLANC.. 別注 B0015 WHT GOLD ex Sunglasses

端正な印象を与えるチタンフレーム。BLANC.. 別注 B0015 WHT GOLD ex Sunglasses 42,900円

世界有数の眼鏡の産地、福井県鯖江市の熟練した職人がつくるアイウェアを提供する『BLANC..』。細やかな技術に裏打ちされたストレスの少ないフィット感と、コンテンポラリーなデザインが特徴です。『SELECT by BAYCREW’S』内にあるアイウェアを扱う「EYETHINK」が別注したサングラスは、ツーブリッジの個性的なデザインながら、チタンフレームでスマートな印象。レンズはライトグレーの調光レンズで、顔周りに抜け感を与えてくれます。

CASIO G-SHOCK  DIGITAL 5600 SERIES DW-5600KHG24-1JR

外箱までとっておきたくなるスペシャルなアイテム。『SELECT by BAYCREW’S』2Fにある「THE STAND fool so good(s)」で取り扱い。CASIO G-SHOCK 各17,600円

『CASIO」は時計、電卓、電子辞書、電子楽器などを製造・販売する日本の電機メーカー。中でも耐衝撃ウオッチ「G-SHOCK」は、“壊れない時計”として実用性を確保しながら、ファッショナブルなアイテムとしてさまざなタイプが発売しています。1983年の発売以来ロングセラーを誇る『CASIO』の「G-SHOCK」から登場した、江戸時代の浮世絵画家・葛飾北斎の作品をモチーフにしたモデル。日本で誕生した浮世絵にちなんで、生産地もメイドインジャパン。

『1LDK』は日常に溶け込む上質なファッションを提案する

中目黒に1号店を構える『1LDK』は、「日常の中の非日常」をテーマに、ワーク、ミリタリー、トラッドなどを軸にした洗練されたカジュアルアイテムを提案。シンプルかつユニセックスに着こなせるデザインが多く、長く使えるリアルクローズが揃います。特徴的なのは、店長自らがバイイングを担当し、現場の声や顧客のニーズを反映したラインナップになっている点。小さな空間に凝縮された空気感も魅力です。

KAPTAIN SUNSHINE Take Easy Jacket

リネンなのにチクチクせず、ふんわりやわらかな着心地。KAPTAIN SUNSHINE Take Easy Jacket 77,000円

日本人の児島晋輔氏がデザイナーを務める『KAPTAIN SUNSHINE』では、トラディショナルやフィールドウェアなどの要素を取り入れた、旅へ持っていきたくなる一着をデザイン。日本のファクトリーが持つ粋な生地と、こだわりの縫製を融合した服づくりを目指しています。リラックスフィットのイージージャケットは、特殊染色したムラ感のある先染めリネン糸をゆっくりと織り上げたリネンクロスを使用。軽やかな仕上がりで心地の良い風合いに仕上がっています。

DIGAWEL Silk T-shirt

汗が気になる夏場、自宅で洗えるシルク素材はとても重宝しそう。DIGAWEL Silk T-shirt 38,500円

デザイナーの西村浩平氏が、2006年に祐天寺にセレクトショップを設立したことから始まった『DIGAWEL』。「人の気持ちをいかにデザインに結びつけるか」という着想のもと、身近でパーソナルな服を追求しています。ウォッシャブル加工を施したシルク100%のTシャツは、肌あたりが滑らかで上質な風合いでありながら、取り扱いがしやすいのも大きな魅力。高発色のオレンジカラーで、1枚でさらっと着てもサマになります。

UNIVERSAL PRODUCTS. NO TUCK CHINO TROUSERS

『UNIVERSAL PRODUCTS.』では、ブランド発足当時からチノパンを販売していた。UNIVERSAL PRODUCTS. NO TUCK CHINO TROUSERS 27,500円

『UNIVERSAL PRODUCTS.』は、『1LDK』のオリジナルブランド。普遍的な製品で新しいスタンダードを提案するため、シーズン、トレンド、年齢を問わずに上質なモノづくりをおこなっています。生地・パターン・縫製などすべてにおいて妥協を許さない姿勢も評価されています。ブランドの超定番が、ノータックチノパンツ。綿織物の国内最大の産地である兵庫県・西脇市でつくったコシのあるオリジナルの生地を使用し、特殊な加工でうっすらとケバと膨らみを施しています。ややレングスは長めの設定で、少し裾を溜めて着用するのがおすすめ。

今回は、日本を代表する4つのセレクトショップが、それぞれの視点で選んだ“いま注目のジャパンブランド”を紹介しました。

日本のセレクトショップで出会えるジャパンブランドは、ただ機能的で着心地が良いだけではありません。その背景には、素材へのこだわり、丁寧なものづくり、そしてそれぞれのセレクトショップが大切にする美意識や哲学が静かに息づいています。ぜひセレクトショップを入口にして、奥深いジャパンブランドの世界をのぞいてみてはいかがでしょうか。

photo: Yuya Shida(still),wacci(BEAMS HARAJUKU,1LDK),Akihiro Furuya(URBAN RESEARCH LUMINE SHINJUKU), Sara Hashimoto(SELECT by BAYCREW’S)