世界中から愛される、日本を代表するポップカルチャー・アニメ。そのアニメのキャラクターをネイルにデザインしてしまう「アニメネイル」をご存知ですか? そのオタク的カルチャーと、キャラを本物そっくりに描いてしまう技術は、日本ならでは。アニメネイルの世界をご案内します。
「アニメネイル」は日本では「痛ネイル」と呼ばれることも多く、好きなキャラクターをネイルデザインに取り入れる「オタク活動」の一環として始まったようです。卓越した技術を持つ日本のネイリストたちが、お客様のオーダーどおりにアニメやマンガのキャラをネイルに模写するうち、そのクオリティの高さがSNSなどで話題になり、広まりました。
今では、実在するアイドルの模写をネイルデザインに取り入れライブに挑む「推し活」も定番になっています。
アニメネイルは面積の大きい親指の爪に描くことが一般的。それ以外の爪もそのキャラに関するモチーフやカラーでまとめ、デザイン性を高めるのがポイント。
日本で初めて「痛ネイル専門店」を名乗り、アニメネイルを得意とするネイルサロン『color’s blue 渋谷店』のネイリスト・すずきあいさんに、アニメネイルの制作過程を見せてもらいました。
すずきさんはブームになる前より、お客様のリクエストを受けてアニメやマンガのキャラの模写を描いていたそう。独学でその技を極め、今では「痛ネイルの母」と名乗っています。
① 爪を整えたり、長さを出す
②アニメネイルを描く爪以外を仕上げる
お客様オーダーのアニメネイル以外の爪は、キャラの黒髪や黒い学ランに合わせ、黒のネイルカラーに星の模様にすることに。すずきさんの提案で、黒のネイルは今流行りの「マグネットネイル」を採用し、繊細なラメ感をプラス。
③輪郭は描かず、まずは肌色のベースから
④髪を塗ったら、最後に目を入れる
⑤トップコートで保護をし、完成
仕上げにトップコートを塗り、アートを保護します。
完成! 肌色は2〜3色使って影や頬の赤みを表現していたり、髪色もグラデーションでツヤを表現しています。まさにプロ技!
アニメネイルを描くときに大変なのは「爪の中にどうそのキャラを収めるか」だと、すずきさんはいいます。縮尺はもちろん、パーツのバランス……爪のカーブも意識しながら、描くのは集中力がいるそう。時間はキャラクターの線画の細かさなどにもよりますが、1本描くのに30分〜1時間かかるのはザラで、過去に指10本にアニメネイルを描いたときは、午前中から開始して、夜までかかったこともあったとか。
お客様のリクエストをできるだけ叶えようと必死にキャラを描いているうちに、どんどん上達し、さらに最初はまったく興味のなかったアニメのオタクにまでなったというすずきさんには、頭が下がります!
このほか、すずきさんのインスタグラムには、過去に描いたアニメネイルの作品がズラッと並んでいます。ぜひチェックを!
アニメネイルをオーダーする際の注意点は、できるネイルサロンが限られていること、時間がかかる場合があること。該当するサロンを見つけたら、事前にアニメネイルをやりたいと希望を伝え、予約をとるのがベターです。
また、希望キャラの画像を用意するのは当たり前ですが、事前にネイリストに送っておけば、さらにイメージが共有できるのでよいそう。
インスタグラムでオーダーを受けているサロンも多いので、訪日観光客の方でもトライしやすいはず!
施術後には、お客様のスマホで撮影をしてくれるサロンも多いそうで、嬉しい限り! 撮影用のライトやセットを用意しているサロンもあります。
準備を万端にして、思いっきり好きなアニメやマンガのキャラクターを描いてもらい、アニメネイルの魅力をぜひ体験してください。
2012年より痛ネイル(アニメネイル)を描きはじめ、「痛ネイルの母」と名乗る。世界で初の、秋葉原の「痛ネイル専門店」で店長を務め、現在はcolor’s blue渋谷店に在籍。完全なる独学ながら、卓越した技術で細部まで繊細に模写を施す痛ネイル(アニメネイル)のほか、個性的なアイデアでつくられる3Dアートネイルが話題に。各種イベントなどでネイル講師を努めることも。
Instagram : https://www.instagram.com/colors_ai/