「編集視点」で本や雑貨をセレクト。クリエイターが通う本屋
「奥渋」のランドマーク的存在の『SPBS本店』は、編集者のオーナーが新しいスタイルの本屋として開業。本だけでなく雑貨や古着、アートまでを“編集者の視点”で選んでいるのが特徴。本は新刊やロングセラーに加え、独立系出版社のものまで幅広くセレクト。さらにオリジナル雑貨やクリエイターとのコラボアイテムも展開し、クリエイターやアーティストの中にも足繁く通うファンが多いお店です。
『SPBS本店』は、「奥渋」という名称がまだ存在しなかった2008年にオープン。編集者のオーナーが「出版する本屋」としてスタートしました。本の販売を入り口に、雑貨や古着、アートまでを“編集”という視点でまとめあげ、空間そのものをまるで一冊の雑誌のように構成。本を買うだけでなく、本のそばにある日常やカルチャーを見つける体験ができ、クリエイターやアーティストの中にファンが多い名店です。
『SPBS本店』の書棚は、スタッフが編集者のようにテーマを設定して構成しています。本を単に並べるのではなく、「今の暮らしにどう響くか」という視点から選び抜き、新刊に限らず、ロングセラーや独立系出版社の一冊まで、ジャンルを横断したセレクトになっています。たとえばカルチャーの棚は「都市文化を切り取る」をテーマに、大友克洋のマンガ作品『AKIRA』から、都築響一の写真集『TOKYOSTYLE』までをセレクト。さらにスタッフによる推薦POPや解説が添えられ、小さな展覧会を見るように本を手に取る楽しさが広がります。
アパレルや雑貨も「編集視点」でセレクト。本のそばにある暮らしをまるごと編集する、それが『SPBS本店』の根底にある考え方なのです。たとえば、左利き用の道具(現在は取扱い終了)や「ラッコがテープを抱える」ユーモラスなテープディスペンサー。渋谷土産として人気のハチ公モチーフのオリジナルステッカーや、革小物ブランド「REEL」とのコラボ商品と、日常に小さな驚きや発見を与えるアイテムが揃います。
店内では定期的にポップアップを開催。ここで大切にしているのは、商品を売ること以上に「人と人との出会い」を編集すること。渋谷と地方、クリエイターと生活者をつなげる交流の場として機能しているのです。過去には盛岡の書店『BOOK NERD』や雑貨店『STUDO』が参加し、地方の文化を東京に届けたり、取材時にはイラストレーター兼ガラス作家の作品や、シルバーアクセサリーブランドが出店。期間限定で内容が変わるため、訪れるたびに新しい出会いがあるのも魅力!
この記事の内容は2025年10月07日(公開時)の情報です