「奥渋」に誕生した、カクテルと寿司の社交場

The Bellwood

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『The Bellwood』は2020年にオープンしたバー。大正時代に流行した“特殊喫茶”を再構築したレトロモダンな雰囲気のなか、日本の文化を取り入れた革新的なカクテルを提供します。さらに奥には寿司カウンター『べる寿司』を併設。創作寿司と専用カクテルのペアリングも楽しめ、寿司とカクテルが交わる異色の社交場として、「奥渋」の夜に新しい体験を生み出しています。

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大正モダンを現代に蘇らせた、ネオ特殊喫茶(カフェー)

『The Bellwood』は、渋谷駅から徒歩約9分、閑静で文化的な空気が残る「奥渋」と呼ばれるエリアにあるモダンなバー。大正時代の“特殊喫茶”をコンセプトに、ステンドグラスが灯るカウンターや薬棚を模した装飾など、空間の随所に当時のモダンデザインを反映し、大正喫茶文化を現代に甦らせています。立ち上げたのは、バーテンダーの鈴木敦さん。国内外のバーで培ったクラシックカクテルの技法に、実験的な発想を掛け合わせることで誕生したのがこの店です。設計はホテルやバーを多く手がける杉山敦彦氏が担当。ステンドグラスのカウンターや重厚な木彫がクラシックな雰囲気を演出し、店内に散りばめられた“隠れベル”など遊び心ある仕掛けが随所に光ります。

渋谷・宇田川町の一角に佇む。大正喫茶を思わせる外観と現代的なデザインが調和し、街角にひときわ印象的な存在感を放っている。

店内に散りばめられた“隠れベル”のモチーフ。遊び心あるデザインが空間を彩る。

カウンター上に掲げられたステンドグラスのBARサイン。大正時代の喫茶文化を思わせる象徴的なディテール。

お店のロゴは、バースプーンを手にしたモダンガールのイラスト。

お品書きは、バーテンダーの鈴木さんの「すず」と“ベル”をかけたユニークなモチーフ。

カウンター上部に設えられた黒塗りの木彫も、大正モダンの重厚なディテール。

和素材と日本文化を取り入れた独創的なカクテル

カクテルは、日本茶や昆布、黒にんにく、味噌などの和素材を用い、ジンやウォッカと組み合わせる独創的なスタイルです。スモークウォッカにグリルトマト、黒にんにく、ホットソースを合わせ、和牛の牛脂で香りを纏わせた「ヤキニク・ブラッディ」(1,500円)ほか、提供するのは全12種類。カクテルリストは「先付」から「焼き物」へと展開する懐石風の構成で、メニュー表は花札デザイン。細いところに「和」のテイストが施されていて、味覚だけでなく視覚や体験でも楽しませてくれます。

バーテンダーが一杯ずつ丁寧に仕上げる『The Bellwood』のカクテル。

計量からステアまでの所作は、まるで茶道のよう。

わさびとパクチーの香りをつけたジンにライチのコンブチャとセロリ、トニックを合わせた『G&T for Hipsters ハイカラなジントニック』(1,500円)。陶器の器に注ぐスタイルも印象的。

紫蘇の香りが際立つ『しそカリエンテ』(1,400円)。グラスの縁にあしらった紫蘇塩(ゆかり)が和のアクセントに。

寿司とカクテルのペアリング体験も楽しめる

奥に佇む4席限定の寿司カウンター『べる寿司』を率いるのは、日本料理出身の寺井彩花シェフ。寿司は、赤酢のシャリを使った創作スタイル。ハラペーニョを添えたシマアジ、人参と大根のなますをのせたマグロ、ノドグロには凍らせたNYチーズケーキを削ってトッピングするなど遊び心にあふれています。魚は同じ「奥渋」にある鮮魚店『魚力』から仕入れ、旬の食材を最大限に活かしています。寿司には専用のカクテルが組み合わされ、コース仕立てで展開。寿司とカクテルが互いを引き立て合う、ここだけの夜が待っています。

奥のカウンターで丁寧に仕込みを行う寺井彩花シェフ。2025年にはオージー・ラムの魅力を発信するPR大使『Lambassador』にも選出され、多彩な経験を寿司づくりに活かしている。

ノドグロの寿司に凍らせたNYチーズケーキを削りかける瞬間。この一手間が、寿司とカクテルの調和を生み出す。「べる寿司」 (19,800円) ⚫︎ 3部制(17:00 / 19:00 / 21:00) ⚫︎メニュー : おまかせ12貫 + カクテル3種 ⚫︎定休日 : 火曜・水曜

赤身のマグロに人参と大根のなますをのせ、ベトナムのバインミーサンドをイメージ。カクテルとの相性も抜群。

脂の乗ったノドグロに、凍らせたNYチーズケーキを削ってトッピング。濃厚さと甘みが絶妙に絡み合う一貫。

アナゴにはコーヒーカカオを合わせ、ほろ苦さと香ばしさをプラス。寿司の常識を超える創作スタイル。

Photo: Yui Fujii

この記事の内容は2025年09月27日(公開時)の情報です