職人技と遊び心が粋な、創業135年の江戸和菓子の名店
銀座の地で135年続く、明治創業の和菓子店『銀座 菊廼舎 銀座本店』。色とりどりの干菓子を缶いっぱいに詰め込んだ銘菓「冨貴寄(ふきよせ)」は、日本の四季や幸せを願う心を表現した、目にも美しい一箱です。店内で揚げたてを提供する「揚げまんじゅう」など、店舗限定の商品も多数揃っています。銀座ならではの伝統と、職人の遊び心が息づく名店です。
『銀座 菊廼舎 銀座本店』の歴史は、1890年(明治23年)、歌舞伎座のそばで歌舞伎煎餅を売り始めたことから幕を開けます。以来、幾度となく訪れる時代の困難を乗り越えながら、伝統を守り続けてきました。そして2021年、創業の地であるあづま通りに本店を移転し、現在は5代目。格式が高いと思われがちな銀座のイメージを変えるべく、人情味あふれる温かい接客を心がけています。また、次世代の子どもたちに和菓子職人の魅力を伝えたいという想いで、昨年から和菓子教室も始めました。伝統を大切にしながら、時代とともに愛されるお店づくりを続けています。
店に訪れるお客さんの9割が購入するという、店を代表する銘菓が「冨貴寄(ふきよせ)」です。大正後期、2代目がお茶の席で出る干菓子から着想を得て、全国にある干菓子を集め、銀座らしく華やかにアレンジしました。小さなお菓子をたくさん詰め込んだ和菓子を「吹きよせ」と呼びますが、『銀座 菊廼舎 銀座本店』では「幸せをもたらすお菓子」という願いを込めて「冨貴寄」という字をあてています。缶を開けた途端、色とりどりの江戸和菓子がパッと目に飛び込んでくる瞬間は、ワクワクが止まりません。
缶の底には、バターを使用せず小麦粉と砂糖と卵のみで作られた和風クッキーが敷き詰められており、その上に金平糖や和三盆、落雁、打ち物などの干菓子が20数種類以上詰まっています。富士山や四季を表現した日本らしいデザインのため、海外の友人への手土産にも人気なのだとか。店の創業135周年記念では、現代風にデザインした限定缶を販売するなど、時代に合わせた変化も取り入れています。
日本人に愛される富士山と、日本の四季を彩り豊かな江戸和菓子で表現した「冨貴寄 特撰缶JAPAN中缶」 4,320円。
3代目から定着した冨貴寄の缶のデザインは、縁起の良い宝物を集めた吉祥文様「宝づくし」のデザイン。現在も柄は変わらず、色あいだけが季節ごとに変化します。
『銀座 菊廼舎 銀座本店』の店舗で販売する和菓子は、全て店内で手作りされています。職人は、この道40年の大ベテラン。今では数少ない、生粋の和菓子職人です。店内では、普段はなかなか見ることができない、職人による貴重な和菓子作りの様子を見ることができます。とりわけ職人技を感じられる練り切りは、季節によってモチーフが変わるため、何度見ても飽きがきません。秋にはハロウィンのお化け、クリスマスシーズンにはサンタクロースなど、和菓子の枠を超えた多彩なモチーフも登場し、職人の遊び心が伝わってきます。
『銀座 菊廼舎 銀座本店』には冨貴寄のほかにも、店頭でのみ販売される限定和菓子がいくつもあります。売り切れた分はその都度店内で作られるため、できたてのおいしさを楽しめるのが魅力です。中でも、店内でカラッと揚げる「揚げまんじゅう」は、1日最大300個も売れる人気商品。甘い小豆を食べる文化のない海外の方にも、あんこのおいしさを知ってもらおうと4代目が開発した新感覚の和菓子です。ほかにも、生地に大和芋を練り込んだ薯蕷(じょうよ)饅頭など、伝統を重んじた和菓子が揃っています。
この記事の内容は2025年09月01日(公開時)の情報です